進撃の花嫁

□プロローグ
1ページ/1ページ




…小さい頃のことは、よく覚えていない。



ただ、父上に拾われたことだけは、何年経っても忘れることはない。




…俺は…自分がどこにいるのか、どこに向かっているのかさえ、知らなかった。


ただ……人々が移住するのを見て、付いてきただけにすぎない。




人々が移住した先は…知らない場所で……ただ、どことなく知っている街並みで…俺は戸惑った。



いや…俺は知っていたのだ、あの街並みを…。



だから、あの人に…父上に会っても、名前が出てきたんだ…。






その当時、俺には羽が生えていたらしく、父上は俺を見つけて、こう呟いたらしい。






「これは…この子は……神の孕子か…?」







「…君、名前は?」






俺はすかさず、「シオリです、ピクシス司令」と答えた。












あの日からだ。



俺が、あの人の…ピクシス司令の娘になったのは…。






 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ