OverLoad【四人の悪魔姫】
□第5話 不死者軍と死の宝玉
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ふと目を覚ますと、暗闇の中にいた。
いや、正確には薄暗い部屋だ。
コロリと寝返りをうって目を凝らすと、
ウロウロと歩く数人の人影が見える。
『(1…2…3………5人か…)』
気配を探るとこの部屋に5人、外の方に4人と2人…。少し離れたところに1人…。
恐らく外のは、クレマンティーヌとカジット、その手下達だろう。
ンフィーレアの気配は離れたところにある。
『(どうにかして抜け出さなきゃな…)』
錫杖は盗られているようなので、手首の小手に仕込んでいた小刀で縄を切る。
『(ちょっとくらいなら…いいよね)』
そう1人ごちてから、ほんの少し魔力を放出する。
…恐らく、目だけ元の悪魔のソレになってるだろうな…。
そのせいか、暗闇でもよく見える。
ヒュンッと無音のまま手下達に近付き、小刀で足の腱を切っていく。
あっという間に5人がその場に崩れ落ちた。
『ごめんなさいね。後で王国騎士達が来てくれるから、手当てしてもらいなさい』
殺しだけはどうにも手が震えるから、
足を不能にするだけにした。
気配を消して外への道を急ぐ。
ンフィーレアは……部屋の前を通過しそうになって足を止めた。
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