アルスラーン戦記【転生の花嫁姫】
□プロローグ☆滅びし国の姫
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タミューン「あれ…?姫様…?」
タミューン「姫様ー?」
『…なんだ?』
タミューン「あ、やはりここでしたか。ナルサス様がお呼びです。夕食の支度ができたそうですよ」
『…そうか』
俺……いや、ここでは少し改まろう。
私はリリー・クロロフォールド。
今は無き、王国の王女だ。
あれは、そう…。4年前だったか…。
私の国は女しかおらず、いつも婿をとるか嫁ぐかでしか繁栄できなかった。
そんな折、国に男の一団が来た。
私は国の端の小屋で、従者のタミューンと一緒だった。…それが、今思えばどれだけ運が良かったか…。
国にやって来た男の一団は、本来ならば私達にとって途轍もない奇跡(婿取りが楽だから)だったはずなのに…。
奴等は私とタミューン以外をすべて殺し、去っていった。
もし、その場にいたら…きっと私も死んでいた…。
みんなの体に付けられた傷は、尋常じゃないくらいに深く、そして多かった。
私なんかでは、足元にも及ばなかったに違いない。
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