戦わない海兵
□書類整理中
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クザンの叫びを後にして海兵が向かったのは海軍元帥のセンゴクのもと。
「元帥ー、届けてきやしたぜ」
「ああ、ご苦労だった」
あの大量な書類はセンゴクから預かってきたものだったのだ。どさくさ紛れに自分の書類も混ぜたというのは誰にも内緒だ。
「青チャリ没収って、餓鬼じゃあるめェし」
「これが一番効果的だったんでな」
壊しちゃえばいいのに、そう思うのはこの海兵だけではない。
「そう言えば、突然だが君に遠征に行ってほしいんだが」
「どこへです?」
またかという言葉はのみこんで、海兵は即座に行き先を聞いた。
このようにセンゴクから直々に指令を言い渡されるのはよくあることだったためだ。
「アラバスタへ向かってくれ あそこで不審船が発見されたそうだ」
要は不審船を拿捕しろということである。それを聞いた海兵は眉をしかめて抗議した。
「………それ、おれじゃなくてもよくないッスか?」
不審船の拿捕のみならば支部の大佐でも事足りる。わざわざ本部から出向く必要性が分からなかった。
「クロコダイルが絡んでいる可能性がある」
「あ、あー 分かりました 行ってきやす」
神妙な顔で答えたセンゴクが皆まで言わずとも、それを察知した海兵は面倒そうな顔ではあったが了承の言葉を発した。
「船の用意はしてある 頼んだぞ、プルート中将」
「了解ッス」
そう答えて海兵ーーープルートは、船のある方へと足を向けた。