求めたものは

□2章
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私達は高校に入学した

同じクラスだった

私は彼を名字で呼ぶようになった

承太郎を見て女子は色めき立っていた

承太郎は鬱陶しそうにしていた

私は席で本を読んでいた


二年になった

クラスは別れた

すれ違った時には目が合った

黄色い声と噂が聞こえてくる

承太郎は時々学校をサボっている

私は変わらず学校に来ている


三年になった

またクラスは別だった

たまに姿を見かける

承太郎はサボる回数が増えた

私は変わらなかった


冬、承太郎が逮捕された、『俺には悪霊が取り憑いているから出ない』
電話口動揺したホリィさんに、詳しい方に相談しては?と言った

パパに相談してみるわ、と言っていた

二年生に転校生が来たらしい、色めき立った噂が聞こえた

昨日、承太郎が出所したらしい

帰ってから窓からふと覗くと欧米人らしき老年男性と黒人男性が
空条家に入っていくのが見えた

今日、保健室で爆発騒ぎが起きて、学校は休校になった


歯車が動き出した音がした気がした




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