求めたものは
□8章
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ガタンゴトン…ガタンゴトン…
規則的な揺れに身を任せていると、早朝ということもあり先程振り払ったはずの眠気に襲われる
「涼?眠いのかい?」
「ん…少し」
現在はインド行きの列車の中、朝食を食べるため食堂車に居る
注文したものが出てくるのを待っているのだが眠くて仕方ない
…それもこれも斜め前に座ったこの幼馴染が、
…その、おやすみの、キス、なんかしやがるもんだからなかなか寝付けなかったせいだ
恨みの篭った視線を送るが気づいているのか涼しい顔をしているのが腹立たしい
「まぁまだ朝早いからね、食べ終わったら席に戻って一眠りするといい」
「そうする…」
「…またしてやろうか?」
この男は…!!
ニヤリ、と笑った承太郎の脛を蹴ろうとするがかなしいかな、いかんせんリーチが足りない
「…?」
「い、いらないから」
「そうか」
フードを深く引き下げる
花京院は不思議そうに私と承太郎を交互に見ていたが、2人共話しそうに無いのを見て聞くのを諦めたようだった
そのうち朝食が来たので食べ始める
食べ終わると原作と同じやり取りが行われた
「涼は特に寂しいんじゃあないか?あの子と仲がよかっただろう」
「ええ、少しだけ、…でもまた、そのうち会えそうな予感がするのでそんなには」
口元に笑みを浮かべながら答える
こういう予言もどきみたいなことが出来るのが先を知る者の特権だ
さくらんぼのやり取りでは私のさくらんぼもあげておいた、…花京院可愛い
その後は席に戻り、窓に寄りかかって眠ったのだった
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