求めたものは

□16章
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一旦街中に入った私達はジョセフがその場で買い取った軽トラックに乗り込み、逃走を開始した

「私は荷台に乗って背後からの攻撃に備えますッ!」

「…ッ決して無茶はするんじゃあないぞッ!」

荷台に立ったまま、車は走りだす

「奴が醸し出しているドス黒い雰囲気は依然として遠くならない…追ってきているのだ、奴はわしらを追って来ている!」

「…涼、追ってくる車はいるかい」

「…目視できる範囲にはいない」

唇を噛み締めつつも答える

…限界は近い、もう少しだけ保ってくれ、私の身体…


「…!来たッ!」

高級車が迫ってくるのを発見し、運転席に鋭い声を飛ばし、《愛しい心》を出して身構える

花京院は直ぐ様《法皇の緑》を出しエメラルド・スプラッシュを放つが、
それらは全て弾かれかすり傷さえ与えることが出来ない

集中放射をしてもそれは同じで、車の屋根を吹き飛ばしただけだった

その一瞬の隙を突かれ、《法皇の緑》は目の前に現れた《世界》に殴り飛ばされ…

…そうになったが一瞬早く《愛しい心》の触手が《法皇の緑》を回収する


「気をつけろ花京院ッ!奴に近づきすぎじゃぞッ!」

「す…すみません、つ…つい」

今の攻防で《世界》が接近パワー型で、飛び道具は持っていないことが明らかになる

「…ッ」

くらりとして荷台の縁に手を付く

その一瞬を突かれ、ものすごいスピードでこちらに何かが投げつけられる

…運転手の遺体だ

「…ッ!しまったッ!」

荷台と運転席の間のガラスを突き破ったそれのせいでハンドルは狂い、軽トラックは壁にぶつかり大破する

私達はそれより先にそれぞれのスタンドで建物の上に退避していて全員無事だ

「…すいません、気を抜いてしまった」

2人に向かって謝罪する、背後は任せろと言ったのにこの様だ

「いや…君は今そんな状態だ、謝ることはない」

花京院は建物の下のDIOを見下ろし、言った

「思いつきました、DIOのスタンドの正体を暴く方法を…」






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