求めたものは

□8章
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「バクシーシ!バクシーシ!」

「…うわぁ」

すっかり眠り込んでいた私が起こされたのはインドに着く直前のこと、駅を出て歩いていると早々にこれである

明らかにアウトな商品やらなんやらを売りつけられそうになるが、
皆が私を囲うように歩いてくれたため、私は無事だった

「うえぇ〜〜〜!牛のウ◯コをふんづけちまったチクショー」

「僕はもう財布をすられてしまった」

勝手に歌を聞かせておいて小銭をせびってくる子供もいる

「…お前は無事か?」

「…なんとか」

私以外は全員長身のため周りの状況がほぼまったく見えない

どうにかタクシーを捕まえるもそのタクシーの前には牛が座り込んでおり、動くまでは出発出来ないという

…カルチャーショックってレベルじゃねーぞ

ノロノロと動くタクシーに乗って、どうにか喫茶店のようなところまで行って休憩する

インドを気に入ったという承太郎のことは逆に尊敬した
あとチャイはめちゃくちゃ甘い

ポルナレフはトイレに行ったようだ

ちびちびとチャイを飲みながら窓の外を眺めていると、突然ガラスが割れる音が聞こえた

急いで様子を見に向かうと、ついに仇を見つけたというポルナレフが憎しみに満ちた表情で人混みを見つめていた…


「ジョースターさん、俺はここであんたたちとは別行動をとらせてもらうぜ」

仇を見つけた今、襲撃を待つ気はない、こちらから殺しに行くというポルナレフ

顔もスタンドの正体もわからないのにどうするのかと問われれば、
両腕とも右腕だとわかっていれば十分、と聞く耳を持たない

彼を思って咎めるアヴドゥルにも反発し、ついに彼は行ってしまった

「……彼はああ言ってましたけど、やっぱり追うべきだと思います」

「ああ、もちろんじゃ」

バラバラに別れてポルナレフを捜索することになる

「…俺は涼と行くぜ」

「いいや、1人づつ別れた方が効率的だよ、別の場所を探して」

守ること、治すことは専売特許だから、と承太郎の言葉の言葉を退ける

「見つからないまま道が行き止まりになったら他のメンバーが行った道に合流、
行き止まらなくとも1時間半後にはここに集合じゃ、いいな」

その言葉を合図に私達は別々の道に駆け出した





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