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□近い将来
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※会話文


「んーっ、これで桶の修理は終了だな。部屋に戻って休憩するか…ってあれは…」

「やあ」

「利吉さん!」

「こんにちは食満留三郎くん。何か修理していたのかい?」

「はい。風呂で使う桶が壊れていたので」

「さすが用具委員長だね」

「ありがとうございます。利吉さんは山田先生へのご用事で?」

「ああ、でももう終わったから。…君に会いにきたんだ」

「私に?」

「乱太郎たちに、君は将来私みたいな忍者になりたいと言っていたことを聞いてね」

「土井先生から出された宿題のことですね。将来どんな忍者になりたいかという題だったので」

「それで私を選んでくれるなんて嬉しいよ」

「本当に利吉さんみたいな忍者になりたいですから。利吉さんは私の憧れです」

「憧れ…、ね」

「…どうかされましたか?」

「いや。君が隣にいてくれたら頼もしいだろうな、と」

「いつか利吉さんとお仕事出来たら嬉しいです」

「仕事じゃなくても隣にいて欲しいけど」

「…それはどういう意味ですか?」

「ははっ、…本気で分からないって顔してるな」

「すみません…」

「いいよ。近い将来、嫌というほど分からせてあげるから」


(その時までずっと私を見ていなさい)


おわれ



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