岩鳶高校文芸部 文芸集No.1

□まこちゃんのアイス
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今日も暑い日だった。

新学期に水泳部を作り夏に入ってから着々と練習していた。


だがハルが珍しく風邪を引いてしまった。



だから今日は部活も休み。だって部活なんてやったらハルがプールに行っちゃうもん。

そんな夏真っ盛りの中俺は今は1人暮らしのハルの家に食べるものやひえぴたを買って行った。



「ハルー?ちゃんと寝てる?」

玄関は案の定開いてなかったから今日も裏口からお邪魔する。予想は水風呂入ってるか鯖焼いてるか・・・。



しかしハルの部屋をのぞくとちゃんと布団に入って寝ているハルがいた。




「今日は大人しいんだね〜」

「・・・渚が・・」

「へ?渚?」


なんでそこで渚が出てくるんだ?



「”早く治さないと部活できない”って・・」



・・・あぁ。渚なら言いそうだなぁ。それこそプリプリとしながら・・・。あぁ、頭もグリグリしてそう・・。

いや、そんなことはどうでもいいんだよ。



「今日暑いしアイス買ってきたんだ、ハイ」


1つを2つに割って食べるタイプのアイスを買ってきたのは昔からのクセだからだ。割った半分のほうをハルに渡すと「ありがとう」とボソっと言って食べ始めた。



しかし食欲がないのかハルはチビチビとアイスを食べていた。溶け始めたアイスはハルの指を伝って・・・エロ・・・




いや、俺何考えて・・・あぁもう・・・へんな気分だ。


ついに手が止まってしまったハル。一向に溶け続けるアイスはドロドロになってハルの手をベトベトにしている・・・。



ブチっと理性が切れた感覚がした。あぁまただ。ハルの無意識な行動にいちいち理性切らせたり・・・。







「遙。アイス溶けてる」



ハルがアイスを持っていたベトベトな手を俺は舌でペロっと舐める。

「早く食べないとアイス溶けてなくなるよ?」


「・・・真琴・・・。俺病人・・」


「そんなことわかってるけど・・・」

「風邪移されたいのか」

「別に移してもらってもいいよ、遙だから」


指を舐め続けると感じるのかハルの体がピクっと動く。その気持ちよさそうな顔が見たくてまた指を舐めてしまう・・。






「・・・ま、真琴っ・・!!」


「あ・・ごめん・・」

「も、もういいから・・寝る・・・」


「そうだよね・・・ごめん、早く治さないとね」





「ね、寝るから・・だから・・・一回だけ・・キス・・」


「・・・ハル・・?」


「う、嘘・・・寝る」




「じゃぁ俺も大人しく帰るよ、じゃぁねハル」




そういった俺は帰り際にちゅっとハルの唇にキスを落とす。



「明日部活できるといいね」

「・・うん」




あーあー。顔真っ赤にして・・かわいいなぁ。でも今日はさすがにダメだよな。


顔を真っ赤にしたハルを残し俺は家に帰った。







___



「・・・真琴が休み?」

「風邪だってー。ハルちゃんざんねーん。折角風邪治ったのにね〜」


「・・・キスしたから・・?」


「・・・え、ハルちゃん?」

...end

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