岩鳶高校文芸部 文芸集No.1

□はるちゃんの告白
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俺には好きな人がいたりいなかったりする。


というのも俺自身好きなのかどうかがわからないからだ。



好きだと思っていてもたまにウザイとおもったりうるさいなんて思うけどやっぱり好きで・・・。

自分でもわけがわからない。



そいつは男なんだけど。


いつも俺のそばにいてお節介なやつだ。

だけど好きなんだ。



今日もきっと俺のことを迎えに来る。

いつもと変わらない屈託のない笑顔で「ハルちゃん」と呼ぶんだろう








「ハルー!」



いつもと同じ時間に同じところから現れる。

「また水風呂入ってるの!?もう学校だよ!」



水風呂はいるのなんていつものことだろ

なんていおうとしたけど言わない。言ったらきっと少ししょげた顔で「そうだね」なんて言う。


渋々バスルームから出て制服を着る。

今日は朝ごはんを先に食べたからもう学校に行くだけだった。

その背後で待っている真琴の気配。





真琴に今彼女はいないけどきっと好きな女子ぐらいはいるはず。いなかったとしても気になるやつとか。だから俺のことはきっと眼中にない。


たまに何考えているかわからないなんていわれるけどそれなりに色々考えたりするんだよ俺だって。今だって目の前にいる真琴に抱きつきたくてたまらない。キスしたい。


「・・・」

「ハル?どうした?」


「・・きだ」

「え?」

「真琴、好きだ」





「・・・へ?」


ぼんやりした反応をされるとなんだか恥ずかしくなってきて目を逸らしてしまった。

「・・・なんもない。学校行く」



真琴を置いて外に出ると真琴も後から追ってきた


「・・・・ハル・・っ!!」

肩をつかまれ後ろを振り向くと真琴の顔があった。


「・・・なんだよ」


「言い逃げなんてズルいよ」








真琴は俺の唇にそっとキスしてまた屈託のない笑顔で「早く行こう」と言った。



真琴は俺より1枚上手だってことがわかってなんだか嬉しかった。でもそれは絶対アイツにはいってやらない。

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