岩鳶高校文芸部 文芸集No.1
□ドSなはるちゃん
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ハル→ドS
マコ→ノーマル
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まだ夏休みも始まって数日という今日も部活が終わりハルと一緒に帰っているところだった。夏だから空も明るいし横を歩いているハルの顔もはっきりと見えた。
「ハル、今日の練習どうだった?」
「いつもとおなじ」
「・・ハハ、そっかぁ・・」
今更会話なんてなかった。たまに思うのはハルは口数が少ないからたまに俺でもなにを思っているのかわからないときがある。でもそんなときは対外俺も考えるのを諦める。わからないものはやはりいくら考えてもわからないからだ。
「真琴」
「・・・あ、う、うん?!」
こんな沈黙の中ハルから俺の名前を呼ぶなんて珍しいから戸惑ってしまった。
「真琴今日俺の家寄って行かないか?」
「・・・いいけど・・」
しかもお誘いなんて珍しすぎる。
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ハルが玄関を空けて家に入っていく。俺もいつものように「お邪魔します」と入るといつもとは違うハルがいた。
俺が靴を脱ぎ後ろを振り返った瞬間ハルに抱きしめられていた。俺より少し小さなハルに抱きしめられるのはなんだかくすぐったかった。
「真琴、好きだ」
「俺も・・好きだよ?」
見詰め合っていたらふいっと目をそらされたと思えばハルに手を引かれ部屋に連れ込まれていた。
「真琴、これをつけろ」
ベッドに座り、目の前に出されたのはその辺で売ってそうなアイマスク。なぜそのようなものを今出されたのかが全くわからない。
「これつけてなんかあるの・・?」
「いいことがある」
「ふぅん・・・?」
ハルにも考えがあるんだろうと何も躊躇せずにそのアイマスクをつける。「付けたけど何があるの?」と問うと俺の体は何者かに押し倒されていた。いや、その何者かはハルなのだが・・・。
「ちょ、ハル?!?何これ?!」
「なんとなく、そういうプレイだ」
「はえぇ?!?!?!?」
ハルが俺の手の指に自分の指を絡ませてぎゅっと握りしめる。
「真琴、キスがしたい」
「え?」
すると俺の返事も聞かずに俺の唇に深いキスをする。部屋中に卑猥なリップ音を響かせて。
「んぁっ・・ハル・・っ」
息をしようとするとすぐにハルの舌が攻め立て終わりの兆しがないキスの嵐。
リップ音と俺の不覚にも喘ぐ声が部屋中で重なり合う。目隠しのせいか俺の体はビクビクとしてしまい、ハルの手をぎゅっと握り返していた。
「真琴、お前エロい」
「ふぁっ・・ハルが・・」
「俺が?」
「き、キスするから・・・っ」
「真琴、お前真っ赤だぞ」
「へ?!?!?」
攻め立て続けられていたせいか俺の顔は真っ赤になっていたらしい。確かに体は熱いけど・・・。
「真琴にキスしたらエロくなるんだな」
なんていいながら俺の目隠しを外すハル。何分かぶりに見たハルの顔はなんだかとても男らしくてやっぱり好きだと確信した。
「ハル、次は覚悟しといてよ」
「なんのことだか」
俺はハルを1回抱きしめておでこにちゅっとキスをしてから部屋を出る。
「じゃぁねハル、また明日」
「あぁ」
明日はハルに何してやろうかなー・・・
end...