uta☆pri

□MELT CHOCOLATE(R×M)
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「おはよ…って、真斗!?」
2月14日、部屋からリビングへと出てきたレンは、目の前の光景に唖然とする。
そこにはたくさんのフルーツやマシュマロ、プチシューなどのお菓子が並べられ、何と真ん中には立派なチョコ・ファウンテンがあったからだ。
(昨夜は真斗が泊まりに来て…特にそんな荷物なんて持って来てなかったのに…藤川さんにでも運ばせたのか…?)
「こ…れ…」
「あぁ…誕生日…おめでとう。その…バレンタインということでもあるしだな、朝食のあとにでも食してもらおうかと、思って…」
真斗は三角巾とかっぽうぎを外し、畳みながら少し照れくさそうに言う。
「んもう、何でオマエはそういう…」
レンはそんな真斗が可愛くて、思わず腕を引っ張った。
「あ…こら神宮寺…」
畳んでいた途中だったせいか、離せとばかりに少し抗う真斗。けれどレンは、そんなことお構いなしに、真斗を腕へ閉じ込めた。
「チョコ、味見してもいいかい?」
「あぁ…少々行儀が悪いが、今日は特別だからな」
「じゃあ」
とレンはなぜか真斗の手をチョコ・ファウンテンへ近付ける。
「ちょ、何を…」
「味見さ」
そのまま真斗の人差し指をチョコで濡らすと、口にくわえた。
「んっ…」
指に絡みつくレンの舌に、思わず真斗はピクリと反応してしまう。
「ん、甘さも控えめだし、少しブランデーも効いてて美味いね。それに…」
ズイ、っと顔を真斗に近づけるレン。
「カトラリーがいいのかな。もう一度、いい?」
そして真斗の指に再びチョコをつけると、それを真斗の唇につける。
「や…め…んぅっ」
抵抗しようとした真斗はそのまま唇を塞がれた。レンの舌が唇を、腔内を動き回り、真斗にその甘さがなだれ込んでくる。
「うん、もっと美味しくなった」
嬉しそうに囁くレンに、真斗の顔がかぁっと熱くほてった。
「ば、馬鹿者…! せっかくたくさんつけるものを用意したのだから、そっちを…」
「あとでゆっくり頂くよ。だから、今はもう少し真斗で味見させて…?」
今度はレン自らチョコを指につけ、真斗の首筋へそれを塗ると、つー、と舌を這わせる。
「はっ、ん…」
真斗はクラリと目が回りそうだった。元々アルコールに弱いせいか、準備の間にブランデーで少し酔っていたのだろう。押し寄せる快楽に、耐えられなくなってくる。
「真斗…感じてるの? 可愛いね」
「ち…が…」
「そう? 朝からこんなになってるけど…?」
そう言って、真斗の熱を服の上から撫でる。
「それは…お前が…」
「レン、だろ?」
「………レンが、いけないの、だろう…?」
上目遣いで見上げる真斗。無意識だとわかっていながらも、レンはその表情に欲情する。
「……ホント、オマエは狡いね」
「…何を言っている?」
「今日、仕事は?」
「オフに…してもらったが」
「バカ真斗。可愛過ぎてバカ」
「はぁ!? 馬鹿とは何だ馬鹿と…うわっ」
文句の途中でレンは真斗を床に押し倒した。そしてどんどん服のボタンを外していく。
「や、やめんか…」
「そりゃ無理だ」
確かにその顔に余裕はなかった。自分を欲するその艶やかな表情に、真斗は言葉を継げなくなる。
「…ねぇ、真斗」
はだけた胸の尖りを愛撫しながら、レンが呼ぶ。
「…な…んだ…」
快感に持って行かれそうになりながら真斗がレンを見ると、レンが請う。
「お誕生日おめでとう、おにいちゃん、って…言ってくれないか…?」
「…っ!」
そ、そんな恥ずかしいことを…と真斗は躊躇する。でも、レンはふざけているように見えず――。
「……お…たんじょうび、おめ…でとう………おにい、ちゃん…」
ギュッと目を瞑ったまま、俯いて言う。でもレンは動きを止めたまま、ひとことも発しない。
「………レン?」
ゆっくり目を開けると、そこには、見たことないくらい顔を紅潮させたレンがいた。
「頼んどいて、何だけど…それは反則…」
そう言ってギュウッと抱きしめてきた。
そんなレンを今度は真斗が愛しいと思い、背中に回した手に力を込める。
「このまま、真斗をもらっていい?」
「……好きに、すればいい」
それを聞いてレンは、腕の中の極上のプレゼントを堪能し始めたのだった。


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