uta☆pri

□POISON KISS#2
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「あぁ? もういっぺん言ってみろよ、神宮寺!」
「だから、好きなんで俺と付き合いませんか?って言ってるんですよ」
神宮寺レンは、まったく理解出来ないという表情の黒崎蘭丸に向かって、涼しげにそう言った。
「…頭大丈夫か? からかってんなら殴んぞ!」
「頭も大丈夫ですし、からかってもいませんよ」
「おかしいだろ、頭がマトモなやつが言うことかよ?」
蘭丸はやれやれといった顔でベッドに寝転がる。でも耳だけはほんのり紅く染まっている。レンはその姿を自然に可愛いと感じていた。
(蘭ちゃんはいつもMAXで突っ張ってるけど、その態度って俺から見ると、ホントつぼなんだよねぇ…)
レンは博愛主義者だと思われている。実際、女も男も関係なく、好きなものは好きというタイプで。蘭丸にとってそれは、到底理解出来ないスタンスだった。ヘタすれば大好きな相手にすらうまく気持ちを伝えられない自分とは、全く別次元の人間だと思っていた、のに。
(いつのまにか、一緒にいるのがあたりまえになってる…しかも、前だったらぶち切れてたような甘ったるい言葉を、その、どっか受け入れてる自分が…あぁ、もう、何なんだよ!アイツは…人のペース乱しまくりやがって)
蘭丸がそんなことを考え壁を見つめていると、突然耳元で囁かれた。
「わかってるんでしょう、俺が本気だってこと」
「………!!!」
蘭丸は飛び上がらんばかりに驚き、反射的に振り向いた。
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