艦これ二次創作小説・あの日から。(完結済)

□回想。
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「大井っちまだ来てないの?」

北上は髪を結びながら大きな声で聞いた。
執務室にいるのは球磨、多摩、北上、木曾の四人。作戦に参加する艦娘は他に彼女らの他に、大井、伊19、伊58、伊168、伊8の五人がいる。しかしその五人の姿は執務室にはなかった。
そういえばと、北上は思い出した。自分含め五人に提督から伝えれたのは、参加する艦娘の名前だけで、作戦の詳細については皆無と言って差し支えなかった。
北上が最初にこの話を持ち掛けられた時、提督からは「球磨型の五人で集まるように」と言われていた。
提督は変に思慮深い人間ではない。着任当初は艦娘を中破や大破させるのは当たり前な素人で、着任数ヶ月後には、対潜水艦と言いながら戦艦で固めたりと、兎に角酷いものだった。誤編成で主力艦隊が空母に壊滅に追い込まれてからは、指揮は安定し、艦娘の中破と大破は珍しいこととなった。

「よし、できた」

そもそも、ここでは多人数編成は今までに一度もなかった。少なくても三人、多くて六人までの編成しかあり得ないからだ。
これは何なのかな……。

「あ」

「すまない、待たせた。大井の装備の修理がたった今終わってな」

息を切らした提督と、「今身支度
が整いました」な大井が執務室に駆け込んできた。提督は右手に何枚もの紙を持っていて、端っこは既に折れたりしている。

「どこにいたのさ」と北上は聞く。
「ほかの艦娘にも伝達があってね」

伝達?
北上は首を傾げた。
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