REBORN! 長編

□第1話
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「今日転校生来るんだってー」


「男かな?女かな?」


どこの学校でも同じ、普通の光景だ。転校生と聞いただけでクラスは舞い上がっていた。


"転校生" と誰もが口にするので、山本武もさりげなくその話題を切り出した。


「みんな転校生の話してんな」


なぁ、と話を振られたのは沢田綱吉だった。彼は笑って頷いた。


「うん、そうだね。でも正直、マフィア絡み以外ならどんな人でもいいや…」


やけに疲れたような顔をしている彼は、隣にいる獄寺隼人をチラリと見る。


「安心してください10代目!10代目を狙うような奴なら、この俺が果たすんで!!」


元気いっぱいで物騒な発言をする彼も、かつては転校生。初日から絡まれたことを思い出すと、僅かに頭痛がしたような気がした。


ダイナマイトを取り出しそうな獄寺を綱吉と山本で宥めるのは、いつものことだった。


マフィアの10代目とその守護者であることを除けば普通の中学生なのである。


すぐ隣の席で読書をしていたルリは本を閉じてにっこり微笑んだ。


「獄寺さん、ファミリーとは助け合うものですよ?もし嫌な人なら、私も協力します」


嘘か本当か分からないことを平然と、笑顔付きで言うのは蔭西ルリだ。


彼女も一応守護者の一員ではあるが、同時にヴァリアーの未来の雲の幹部を務める予定を持つ忙しい人物である。


獄寺はそんな彼女の方を見て、いらねぇよ と吐き捨てた。


「そうですか。それで獄寺さん、マフィア関係の人以外ならどうするんですか?」


「仲良くできんのか、獄寺?」


山本とルリ、その上綱吉までもが見守る中で、獄寺は当たり前というように言った。


「馴れ合うつもりはねぇよ」


獄寺らしい言葉に苦笑いし、ルリは読みかけの本に栞を挟んで机のなかに入れた。


予想できた発言に「やっぱり」とつっこみながら、綱吉も苦く笑った。


「まぁまぁ獄寺君。このクラスに来るんだし、仲良くしようよ」


尊敬するボスにたしなめられ、獄寺は表情を変えるのであった。
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