素敵な絵の具
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「キャー黄瀬くぅぅぅーーん」
帝光中学の廊下にいつものように響き渡る黄色い声
「黄瀬くん、これ家庭科の授業で作ったの。良かったら食べて」
「あっズル〜い」
「黄瀬くんっ良かったら私のも!!」
「私のも!!」
「私のも!!」
「私のも!!」
そして女子の和の真ん中でグイグイとマフィンを押され、困った顔で笑っている男子バスケ部のレギュラー、黄瀬涼太
「えっとぉ〜〜、悪いッスけどもうお昼食べちゃってお腹一杯なので気持ちだけ受け取るッス」
モデルで培った笑顔で答える
それだけで周りの女子たちは「ううん、い〜のぉ」と頬を赤らめて言う
黄瀬はそれを見て
「あっ俺、先生に呼ばれてるんだった!!それじゃっ」
と廊下を走る
もちろんそれは嘘であって、
廊下の角を曲がりすぐ近くの教室に入った
何処の教室かをちゃんと見ずに