みづのながれ/天上の焔

□水魚の交わり/桃
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こめかみから滑り落ちる汗の粒をぬぐって、劉備は将軍と別れた。将軍は周りを取り囲んでいた兵士たちに号令をかけ、餐をとりにゆくようだ。劉備は水を飲もうと井戸の方へ足を向けると、木陰に人が立っているのを見つけた。見慣れた白い道着の裾がそよそよと風に揺れていた。

「孔明!目覚めたのか。出歩いたりしてよいのか。」

「はい、殿。ご心配にはおよびません。孔明はすっかりよくなりました。」

駆け寄り息の切れる劉備に、孔明は優しく微笑んだ。

「今稽古をつけてもらっていたのだ。鈍っては肉がつくからな。」

「ええ、ここから見ておりました。」
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