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□正義とは…
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土「御用改めである!真選組だ!」

そういって土足で入ってきたのは、土方、近藤、沖田、その他大勢の兵士たちだった

銀「夕方になんだぁ?税金泥棒。税金巻きあげに来たのか?」

俺の嫌な予感は的中

表情からして分かる

分かってしまったのだ

俺が白夜叉だってこと…

土「万事屋、坂田銀時。貴様が白夜叉だな?」

どうして俺は信頼した場所さえ奪われてしまうのだろう

俺はただ、平凡に暮らし、笑い合い、助け合える、そんな生活が欲しかっただけなのにさぁ…

銀「だとしたら…なに?」

冷めきった声で答えた

土「やっぱりな」

沖「旦那…信じていたのに…」

はぁ、やっぱりそんな目をするのか…

怯えるような、憎むような目

土「貴様が攘夷戦争に加担していたなんてな。本当は俺らのことを嘲笑っていたんだろう?」

アザワラッテイタ?

そんなことねぇのに…

俺はお前らを信じていたのに…

今でだって信じていたいのに

やっぱ、鬼に居場所なんてねぇのか

鬼は斬られるしかないのか

なら

銀「斬れよ」

顔を上げ、涙を流し俺は言う

彼らは驚いた表情の一つもしなかった

恩を仇で返すとはまさにこのことだ

土「抵抗しないなら、好都合だ」

土方は刀を振り上げ…

俺に…

と、そんなことは無く一人の人間により遮られた

それは…

高「恩を仇で返すたァ、どんな非道だ」

高杉だった…

銀「た、かすぎ…」

辰「銀、ワシらもいるきに」

銀「辰馬…ヅラ…」

桂「ヅラじゃない、桂だ」

いつも通りの返答が返ってくる

桂「晋助、銀時を船へ運んでやってくれ」

高「ったく、人使いが荒いなぁ、小太郎は」

そう言いつつも俺を抱き上げ、船へ向かう高杉

銀「高杉…ありがと、な」

俺は涙で良く見えない目で高杉を見、言った

そのまま、俺は意識を手放した

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銀時の家へもどってきた高杉は安心そうにほほ笑んだ

辰「晋助、銀は大丈夫かのぅ?」

高「心配すんな、安心して眠っちまってらァ」

桂「そうか」

俺はこいつらを信用まではいかないが、銀時の話を聞く限り、悪いやつではないと思っていた

それは、俺にとっての意味だ

結局のところ、いい人とか悪い人とかは自分の都合にいい人なのか悪い人なのかということだ

だけど、そんな事が全部ひっくり返った

桂「晋助、辰馬。先に船へいっててくれ。俺はこいつ等に話さなければいけない事がある」

高「分かった。気をつけろよ?」

辰「じゃ、先に行ってるきに」

二人が出て行ったのを確認し、真選組に向き直る

土「一人で残るたぁ、命知らずだな。話さなければいけない事とは冥土の土産か?」

桂「貴様らは、銀時が今までどんな思いでいたか知らないだろう。銀時が戦ったのは護るためだ。それなのに貴様らは!そう、貴様らは正義とは何か知っているか?」

土「正義だぁ?そんなもの世の中の秩序を保つために居る俺たちだろうが」

桂「違うな。正義と言うのは悪だ。結局のところ正義と言うのは悪を押しつけた結果に過ぎん
なら、悪を背負った銀時の気持ちが分かるか?そんな思いをずっと一人で抱えてきたのだ。なのに貴様らは、その気持ちを和らげるどころか余計に傷を付けた。俺は貴様らを許さない」

これだけ言えば十分だろう

そう思い、俺は家を出ていく

桂「さらばだ、人間とも受け取れない便所虫の軍団よ」

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沖「土方さん…俺らが間違っていたようですねィ」

からっぽの万事屋の中で後悔の念だけが渦巻いていた


(正義とは…悪を押しつけた結果にしか過ぎない)

end…

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