中篇

□愛の誓いを君だけに
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【プロローグ】





『結婚してくれるかな?
お、俺と』


『ありがとうっ!絶対に大切にするから』




そう言ってくれた貴方はもういない。




『ごめん・・・』




そう言って出て行った。

結婚したときに立てた築3年の一軒家。

リビングの机の上には離婚届と結婚指輪。




今日は結婚記念日。


・・・そして離婚記念日?



三年という時間がいったい何を変えたのだろう。


もう、昔みたいにはなれない。



『他に好きな人が、出来たんだ』


『・・・お腹に赤ちゃん、いるんだ』



私は赤ちゃんが出来にくい体だ。


あの人は子供が好きだった。


不妊治療ももちろんした。


・・・だけど、子供がいなくてもいいって


『君がいる、それで十分だよ』



って言ってくれてたのに。


優しい言葉の裏で、私を裏切った。



「でもっ、それでも愛してたのにっ・・・」



永遠の愛を誓ったくせに。


ずっとそばにいるって言ったくせに。



『ごめん、本当に』



ごめんなんていらない。



泣きながら離婚届にサインする。



そして、市役所に行く準備をする。




「・・・この体のせいで」



私だって赤ちゃんほしい。

だけど、運命は残酷で・・・









愛があれば乗り越えられるって信じてたのに
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