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□凛、逆ハーレム←
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嗚呼、乾きが癒えない。
何故か、愛が足りないから__________...
=プロローグ=
今の時刻は早朝。目が覚めた松岡凛は同室のルームメイトである似鳥愛一郎を起こさないように外へ出た。寮を抜けてランニングを始める。
無心で走っていると前方から人影が見える。
「お兄ちゃん!」
妹の江だ。凛に向かって大きく手を振っている。何だか今日は無視してはいけない様な気がした為か足を止め、彼女を見る。
もしかしたら、ハルの事かもしれない_____
「どうした、」
「お兄ちゃんに面白い力あげる。」
「はぁ?」
何を言っているんだ、こいつ。と言いたげな視線を江へと浴びせれば冷静に話を切り出す。
「…だから、遙先輩のこと。手に入れたいんでしょ?」
ごくり、と唾を飲み込む音がやけに大きく耳に響いた。
「遙先輩だけじゃなくて、他の人も。」
もう一度、唾を飲み込む。然し凛を見る江の顔は何時もと違い、冷徹に見える。汗がじとり、と流れる。
「どうすりゃいいんだ。」
凛はそう訊ねた。江は懐から薬を取り出した。
「これ、呑んでみてよ」
凛は半信半疑で呑んでみた。するとどこからか低い声が聞こえる。
“契約、成立だ”
と。この薬を呑んでしまえば目を合わせた相手に強く念じると“力”が発揮され、誰でも虜になるらしい。
凛は寮へと帰り狂気に満ちた笑みを浮かべた_______
これで、ハルが手に入る__________...
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