喫茶RoseCross

□Day1†いらっしゃいませ
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《代理シェフ争奪ジャンケン三回目》

リ「じゃあ、早く決めちゃおう。開店時間過ぎちゃう」


リナリーがそう言っても
2人にとっては最後の勝負だ。
‘溜め’が前回より長い。

やっと声を出す2人、


         負け
ア&ラ「出さなきゃ代理だよジャンケン


しかし、決まり文句を言い切らないうちに

3人の後ろにある
裏口が開いた。


ア&ラ「ポン

ドアの方を見ると

「何やってんだ」

と、神田が立っていた。


リ「あっ、あいこ」
ア「神田?」
ラ「ユウ?」
ア&ラ「あっ、あいこ?」


イラついた顔で、

神田(以下神)「ファーストネームで呼ぶな、バカウサギ」


と一喝する。


リ「どうしたの、今日シフトじゃなかったけど?」
神「箸忘れた。すぐ帰る」
リ「マイ箸?昨日机の上にあったよ」


ア「どうするんですか?結局」
ラ「も、もう一回?とか」
ア「なんか納得行かないです」
ラ「あっじゃあ、
ユウにやらせりゃいいじゃん」
ア「なんでですか?」
ラ「だって、これ」
ア「ああ」



ア&ラ「出さなきゃ代理-負け-


神「…お前ら、もう開店時間だぞ?何遊んでんだ」


神田は『忘れ物』を見つけ帰るつもりだが、一応2人に注意をすると、


ア&ラ「出さなきゃ代理!」


という返事が返ってきた。


神「は?」
ア「神田、これ(エプロン)着て下さい」
ラ「これ(三角巾)もな」
神「嫌だ」
         負け
ア&ラ「出さなきゃ代理!」
神「おいっ!ちょっ」



いつになく真剣な顔で言う2人の圧力に気圧され気味の神田。

身体を抑え込まれ、無理やりエプロンと三角巾をつけられそうになる。


神「おいっ、リナ!これは一体なんだ!説明しろっっ」


状況が掴めない神田は、

カウンター掃除を始めたリナリーに解説を求めた。


リ「ジェリーが熱出して来られなくなっちゃって、代わりを誰がやるか決めてたの」


神田の今の状況がわからないリナリーは、のんびりと答えた。


神「お前がやりゃいいだろ」
ア「コムイさんが駄目だって言うからしょうがないんです」
神「んだと?」
ラ「可愛い妹の手料理は誰にも渡さない、って」←脚色
神「だからってなんで俺が!」


アレンとラビはなんとか神田に、キッチングッツを着せると、
         負け
ア&ラ「出さなきゃ代理!」


と強調。


神「いなかったもんはしょうがねぇだろ!第一、今日、俺はシフトじゃっ」


もっともなことを言いかけた神田のもとに、タイミング悪くリナリーがやってきた。


リ「あれっ?神田がやってくれるの?」
神「は?」

エプロンに三角巾をつけた神田を見て、リナリーは「よかった」と一言。

無論、アレンとラビは神田の背後でニヤリと笑う。


神「俺はっ」


まだ反論しようとする神田に、


ア「往生際が悪いですよぉ、神田?」
ラ「リナリーも納得してるし、異議ないだろ?ユウ」


と、耳打ち。
神田は

イラッ

と、こめかみに青筋を立て、
着せられたものを剥がそうと手をかけたのだが、


リ「ありがとう、すごく助かる」

という、満面の笑みで、躊躇してしまった。


リ「シフトじゃないのに、ごめんね」←悪気無し
神「あっ、いや」
ア「ほんと、スミマセン、神田」
ラ「いやぁ、マジ助かるさぁ」

アレンとラビによるわざとらしい演技で追い討ちをかけられた神田。


神「リナ、マニュアル見せろっ」←ヤケクソ




結局、神田が代理シェフ確定となった。


リ「大変、もう時間過ぎてる!皆、準備してっ」


店の前に立つ人影を見て、
リナリーは急いで【Open】の札を出しにいった。





そんなこんなで、

【緊急時は助け合いの精神で】
をモットーに、


リ「いらっしゃいませ、開店が遅れてすみません。何名様ですか?」



本日の
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