喫茶RoseCross
□Day4†ご注文はお決まりですか?
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ティ「君達」
客A「あ゛?なんだ、オッサン」
ティ「賑やかなのは楽しいからいいし、ここはアットホームな喫茶店だからある程度の喧嘩は美しい愛情の証だ」
客A&B「は?」
ティ「しかし、そんな物騒なもの こ こ
をRoseCrossで出すのは、
美しくない」
ティエドールは2人の目の前に所持していた彫刻刀を突き出した。
ティ「美しくない君達はこの店の客に相応しくない。出て行きたまえ」
鋭い眼光と穏やかだが力強い声は2人を圧迫する。
その場にいる全員が、客も店員も固唾をのんで彼を見守っていた。
客A&B「ヒッ」
さっきまでの勢いはどこへやら、2人はブルブルと体を震わせて真っ青になった。
客A「か、かかか帰り、帰ります」
客B「こ、ころ、殺される前に」
そう言うが早いが彼らは勢いよく立ち上がって店の入り口まで猛ダッシュ。
すると、すかさずリナリーが、
リ「次は迷惑料をいただきます、またのご来店お待ちしてます」
と言ってにっこりと笑った。
客A&B「二度と来るかぁあ!」
神「紅茶、おかわりです」
ティ「ありがとう」
神「あと」
数分で済んだ事件の後、相変わらずのんびり、ゆったりと、夕方の気だるさを体現したようなティエドール。
コトリ、と陶器と木のぶつかる心地よい音がする。
神田が小皿を一枚紅茶の隣に添えたのだ。
神「さっきは助かった、と従業員からのサービスだ」
神田がぶっきらぼうにそう伝えた。
小皿にはシュガードーナツが一つ。
ティ「気を使わせてしまったようだね。ありがたく頂くよ」
ティエドールは申しわけなさそうに笑う。
すると、神田が、
神「日頃世話になってる常連客へのサービスでもある、気にしないで下さい。これからもRoseCrossをよろしく」
と言った。
ティエドールは少しびっくりしたような顔をして、目に涙を浮かべて嬉しそうに笑った。
ティ「大人になったね、ユウくん」
神「・・・」
ティ「さぁ、お父さんの胸に飛び込んでおいで」
神「あんたはなんでいつもそうなんだ」
2人のやりとりを見ていたマリが、神田の肩にポンと手を置く。
マ「諦めろ神田。先生はこういう人だ」
ティエドール=2人の学生時代の恩師
そんなこんなで
【美しい家族愛を楽しむ店(?)】
をコンセプトに
神「リナ、シフトを誰かと変えろ」
リ「ダメ」
神(即答だと!)
本日のRoseCrossはこれにて閉店。
See you next time...