Monochro†Legend

□第4夜 トラブルマシン
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「ふぁああー」



アレンが大きく伸びをした。


相変わらず迫力のある『黒の教団本部』。
その地下水路から船をこいで入城。

やっとホームについた。



「この嵐で汽車が遅れましたからね」
「そうねぇ、予定より1日オーバーしちゃったわね」



船を繋いでいる探索部隊-ファインダー-のトマに頷く弭苑。

因みに、彼女と一緒にいた探索部隊は、別任務に付くため、途中でフェリーを降りた。



「…もう真夜中だな…これどうしたらいいんですか?」



フェーリは持っていた黒いケースを示す。

それには回収したイノセンスが入っている。



「科学班の方なら、誰か起きてらっしゃると思いますよ」
「じゃあ行ってみますね」



眠い目をこするアレンとフェーリ。

その様子に、弭苑はふっと笑うと、



「お疲れ様2人とも。私はあとから行くから先に行ってて?」
「え?」



フェーリが何故だろうか、と首を傾げると、



「外の空気吸ってくるから」



と、見えない音符を飛ばして手を振り、弭苑は何処かへと歩いていった。



「わかりました」



2人は返事をして、階段の一段目に足をかけた。



「ん?」



何か違和感がする。



「な、なぁ、アレン。なんか様子がおかしくないか?」
「う、うん、僕もそんな気がする……」



段に足をかけたまま立ち止まった2人。

すると、上から



「も…戻ったか2人とも」



ゆらりと人影。



「!」
「リーバーさん!?」



科学班班長、リーバー・ウェンハムだった。

目の下に少し隈があるのは変わらないが、

息が上がり、顔には怪我、腕を押さえて辛そうに顔をしかめている。



「どうしたんですか?その傷、一体何が」



ドサリと倒れた彼をアレンが受け止める。

あわあわと様子を見るフェーリ。

そんな2人に、振り絞るような声でリーバーは言った。




「に…逃げろ…。コムリンが……来る…」
「「は?」」



コム…?

聞き返す間もなく、


ドドドドドド…

と、耳をつんざく地鳴りのような音が近づいてきた。



「な、なんだ??」



ドカンッ


その音とともに、
階段部分の壁が一部破片になり、全体が傾いた。


「!?」
「来たぁ」



その勢いのまま、『ソレ』は船着き場を崩し水路へ。



「え゛ぇえ゛」



水と手すりと船着き場の破片が4人を覆わんばかりに飛び散ってきた。

ティムとデルタは急いでそれらを避ける。



「くっそ、なんて足の速い奴だ」
「な何アレ?何アレ!?」



水から立ち上がった『ソレ』。

科学班とかかれた(おそらく)頭にはカメラのような目。
足は蜘蛛のように四方八方に広がっており、その硬質なボディーからどう見ても『ロボット』。



「発…見!」



ピピピピという電子音とともに、しゃべりだしたロボット。



「フェーリ・ムーン、アレン・ウォーカー。エクソシスト…二名…発…見!」
「!」
「なんか今、ロックオンされた気が…」



唖然とロボットを見つめる2人に、



「アレン、フェーリ、逃げろ!こいつはエクソシストを狙ってる!!」



肩を押さえたままリーバーが言った。



「それ…どういう」



どういうことか、と尋ねようとしたフェーリの声を遮るように、



「手術ダー!!」



ロボットが凄まじい勢いで追いかけてきた。



「うわわわっ、何々!?」
「追ってくる!追ってくる!!」



フェーリ、アレン、リーバー、トマは階段を必死で駆け上がる。


ドカドカというロボットの足音。

振り返って見れば、階段が破壊されている。



「リーバーさん!訳が分かりません!!」
「何ですか、あれは!説明して下さい!」



くわっと必死の形相でリーバーを睨む2人。

任務での怪我はまだ完治していないが、そんなことを構う余裕なんてない。

眉間にシワを寄せて走りながら、


「ウム、あれはだな!」



リーバーはこう答えた。



「コムイ室長が造った万能ロボ『コムリン』だ……見ての通り、暴走してる!」



「「なんで!?」」
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