PHANTASYSTAR portable2INFINITY

□一章
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『<第一部>義兄リード』


グラール太陽系の惑星に平穏な日々が訪れていた。リトルウィングの若き副社長、ミコト。何故彼女が副社長なのか?それは数ヶ月前にさかのぼる





*****


エ「なんだろう?呼ばれたみたいね!」


ナ「ふん。どうせ下らぬ話だ」


ミ「ナギサ?そういうことは言わない。」


ナ「う…すまぬ。ミコト」


ミ「ん。素直でよろしい」


ナ「………///」


ナギサ、エミリア、ミコトの三人は社長の妻ウルスラに呼び出しをくらっていた。そしてナギサはミコトに誉められると頬を赤めてしまった。



*****


ウ「来てくれたわね。」


凛とした綺麗な女性ウルスラ・ミュラー。この人が副社長なのだったが…


ナ「なんだ。話しとは。ミコトやエミリア…私たち三人を呼ぶ事か?」


ウ「ええ。まぁ。本当はミコトだけで良かったんだけど…」


ミ「ウルスラさん…?」


んん。と咳払いをしたウルスラは三人を驚かせる言葉を発した。


エ「今、なんて?」


ウ「副社長を辞めるのよ。」

ナ「お前…ここは私の家って言ってなかったか?」


ウ「私の家よ。あなたも、ミコトもエミリアも皆大事な家族。」


エ「じゃあ何で?」


しばらく沈黙していたミコトだったが。


ミ「……結婚してから変わったね。ウルスラさん。…子供…居るんでしょ?クラウチの」


ウ「


エ「えっ


ミ「最近具合悪そうだったからね。で?赤ちゃん居るんでしょ?ウルスラさん」

ウ「うん…」


エ「えぇーっ


当然エミリアは驚いた訳だが。ミコトは雰囲気で察していたみたいだった。


ウ「…でも…彼は昔…」


ミ「知ってるよ。でも言わないと…もうウルスラさんとクラウチは家族で…夫婦なんだから」


ウ「ミコト…」


ク「おう!お前ら三人ちょうど揃ってんな。」


ウ「クラウチ


ミ「?」


ク「原因不明の原生生物が現れた。SEEDフォームでもなけりゃ亜空間の影響で誕生した原生生物でもない。調査、頼めるか?」


エ「えっ?あ…うん…」


ク「あ?なんだよ。お前ら」

クラウチは三人の表情を理解していなかった。まぁ無理もないかも知れないが


ミ「…………」


ク「


ミコトの口から告げられた。ウルスラのお腹の中に子供を宿している事に


ク「お前…冗談が通じる相手を間違えてねぇか…?」


ミ「事実よ」


勢いよく席を立ち急に激昂したクラウチ。


ク「黙れ…そんなことないだろう…ウルスラ、嘘だろ?」


ミ「ちっ…」


クラウチを宙に浮かせて地面に叩きつけたミコト。ミコトはクラウチの胸ぐらを掴んでいたのだ。


ミ「……いつまで過去に囚われている。ウルスラの中にはあんたの子供がいるんだ。近くにいて分からなかったのか?」


ク「げほっ…黙れ!てめえ…」


態勢が逆になった。やはり女の子の力じゃ抵抗できない


ミ「う……なによ…殴ろうとしても事実は事実なのよ。」


ク「黙れ


エミリアはクラウチの頬を叩いた。


ク「エミリア


エ「ミコトに…女の子に覆い被さるなんて最低よ


ク「っ


クラウチは慌ててミコトを離した。


ク「すまん…ミコト。ウルスラ…お前…本当なのか?」


ウ「うん…あなたの子供なの」


ク「……はっ……」


ミ「クラウチ…泣いてるの?」


ク「…ちげぇよ……嬉しくねぇや…ミコト…怪我はないか」


ミ「ない…人は…過去を振り切らなきゃいけないの…エミリアだって辛いけど乗り越えた。……私も辛い過去はある……彼を亡くしたから」


ク「リード…か」


ミ「……………」


ミコトの目から涙が零れ落ちた。


ク「おい…泣くなよ。…今を向き合えって事だろ……わかったから」


ミ「………っ


ミコトは何処かに行ってしまった。


エ「ミコト…?」


ナ「エミリアダメだ。追いかけるな。愛しい人を亡くしたんだ。クラウチ同様思い出したんだよ。今あんたに何が出来る?ミカという旧文明人もきっと私と同じ事を言うだろう。今はそっとしといてあげて」


エ「ナギサ…」


ク「…ウルスラ…お前…どうするんだ?」


ウ「……」


???「生みたいなら生むって言いな。」


エ「誰?ってカッコよくない?」


謎の男性が突如姿を表した。


そしてミコトは


*******


ユ「ミコト…?どうしたんだ?なんで泣いてる?俺が元気付けてあげるぞ?ミコト?」


ミ「グス……ユート


ユ「わ…どうしたんだよ。」


ミ「ごめんなさい…今はこうさせて…」


ユ「うん。ミコトの涙初めてみたぞ。ちょっと戸惑うな。」


ミ「ふふ……ユートの元気付けの仕方…変だよ…」


ユ「そんな事ないぞ姉ちゃん。」


ミ「お姉ちゃんは涙もろくないって思ってる?」


ユ「おう!俺は姉ちゃんの事大好きだぞ!でも涙は見せたらダメだぞ…俺も悲しくなる」


ミ「変わってるねユートは…私もそんなユートが好きだよ……ありがと。落ち着いた」


ユ「姉ちゃん…もしかして…お腹痛かったのか?」


ミ「バカ


ミコトの鉄槌だ。


ユ「いった痛いぞミコト


ミ「はぁ……あんたの天然さは本当に凄いわ。…ユート…?私は良きお姉ちゃん?」


ユ「おう!強くて優しいし…どこかお兄に似てるからな!」


ミ「…ユート……」


ユ「ん?」


ミ「お前って本当にかわいいなぁこの


ユ「うわくすぐったヒャハハくすぐったいってミコト


ミ「あはは。本当にかわいいなぁ……そういえばあんたはいつから私の事お姉ちゃんって言うようになった?」


ユ「うーん……最初から面倒見てくれたからな!エミリアもミコトも俺のお姉ちゃんだでもミコトは特別だぞ?」


ミ「?」


ユ「だってミコトはカワイイからな


ミ「Σ


顔を赤くしたミコト。ユートの天然さには困ったものだ。
そして、会議室では


******


ク「お前まさかリード…か?」


リ「ん?俺を知ってんのか?」


ク「あぁ…まぁな」


リ「有名人になった覚えはないんだがなそうだ!ミコトは居るか?」


ナ「ミコト…だと?お前…ミコトに何用だ


リ「何って…あいつの恋人?つーか家族。」


イ「あぁー久しぶりに来たなぁ。」


ル「兄さん


エ「うぇイーサンにルミア


イ「おうエミリア!今日から世話んなるぜ…ってリード


ル「リードさんはSEED事件で亡くなった…ってええーっリリリリードさん


リ「おう。元気そうだな!…ルミアか?可愛くなったなぁお前」


ル「なまたそうやって


リ「ところで、ミコト居るんだろ?」


エ「……居ない」


リ「あ?」


エ「…」


リ「何だよ…ってお前ら泣かせたんじゃないだろうな。」



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