夕陽、見上げて
□第3話
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バシュっ!!
煙弾が上がった…。
色は…
黒。
【第3話】
「ちぇっ…マジかよ。」
先ほどから上がっているのは、奇行種の発見を示す黒い煙弾。
出来ることなら拝みたくない煙弾bPだ。
「こりゃぶつかるな…。」
その奇行種は、陣形の左翼から順調に陣形の中に侵入してきている。
団長が進路を示す緑の煙弾を撃つことによって、少しずつ煙弾が上がることが減ったが、エリが配備されているのは左翼後方。
接触することは避けられなさそうだ。
(それまでに外側にいる精鋭の先輩方が討伐してくれたらいいんだけどなぁ。)
そう考えるも、煙弾の位置からして、もう精鋭班の最終ラインは突破されているだろう。
その奇行種によってどれくらい死んだのか。
自分もその1人に加わるかも知れないというのに、エリはそれを考えずにはいられなかった。