夕陽、見上げて
□第5話
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「なんだい?楽しそうだね。」
「あーエルヴィン!あれ?お休みじゃないの?」
制服を着たエルヴィンがやってきた。
「報告書の山が片付かなくてね。」
「そうなの?手伝う?」
「一般兵が何を手伝うっていうんだ?」
「……リヴァイ。やっぱあんたあっちで食べなよ。」
「今日中には片が付くから大丈夫だよ。」
リヴァイとエリのやり取りに微笑みながら、ありがとう。とエルヴィンがエリの頭を撫でた。
ナナバがエルヴィンを食事に誘ったが、早く片付けたいからとコーヒーだけ入れて執務室に戻っていった。
「エリーーっ!」
そのエルヴィンと入れ替えに来たのは、ハンジ。
今日はやたら顔なじみがそろう。
後ろからエリに抱きつくハンジは、すりすりとエリの頬に自分の頬を摺り寄せる。
「やめてハンジ。痛い。」
「冷たいなぁ。ってかそれよりさっ!こないだの壁外調査で変な巨人がいてね…。」
「あーーもうっ!休みの日ぐらい巨人から離れなさいってばっ!」
そこからは、相も変わらず巨人マニアなハンジに呆れたり、エリがリヴァイにキレたり、ナナバから突拍子もない話が出てきたりと、4人は大いに語らった。
気づけばもう陽が傾き始めていた。
気の知れた友人たちとの会話は時間を忘れさせるものだ。
「エルヴィン、仕事終わったかなぁ?」
「なに?エルヴィンってば仕事しちゃってんの?真面目だねー!」
「ハンジ、お前はもう少し仕事しろ。お前の所で滞っている書類が多い。」
「さてと、僕は用事があるからこれで失礼するよ。」
ナナバが食堂を出たタイミングで、エリが立ち上がった。
「エルヴィンの手伝いしにいこーっと!」
「あ、私も行く〜。終わったらさ、皆でご飯食べに行こうよ!」
「待て、俺も行く。」
そうしてエルヴィンの部屋に押しかけると、エルヴィンは嬉しそうに笑った。
そこから一気に書類をさばいていく。
研究者の癖があるハンジが資料を読みふけろうとするのを何度も制しながら、何とか書類を片付け終わった頃にはもう陽が沈もうというところだった。