夕陽、見上げて

□第20話―847年―
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超大型巨人襲来とウォール・マリアの崩壊。




ウォール・マリア奪還作戦。





様々な混乱で深手を負った調査兵団は、中央政府より早急な体制の立て直しを求められた。




しばしの間は壁外調査を行わずに体制再編を最優先事項とし、それを完遂するための組織改編も行われた。







調査兵団13代団長にはエルヴィン・スミスが就任し、兵士長にはリヴァイの名が挙げられた。






さらに、エリ・アクレス、ハンジ・ゾエ、ミケ・ザカリアスが分隊長の位に就くこととなった。















【第20話―847年―】















「やはり、これか…。」


「だろうな。」





部屋にはエルヴィンとリヴァイ。



目の前には、現在調査兵団に所属している兵士たちのファイルがあり、エルヴィンはここ数日、そのリストとにらめっこを続けている。










いい加減疲労の溜まった目頭を、エルヴィンが指でほぐした。



それを見て、リヴァイが呆れながら紅茶をすする。




「往生際の悪いやつだ。それ以外の編成を求めるなら、俺以外の奴を参謀に付けるんだな。」










リヴァイもここ数日、エルヴィンの作業につきっきりで疲労が溜まっており、早く決定を下して欲しかった。



それに、使いすぎた頭はもうこれ以上回りそうにない。







「よし、これでいこう。助かったよ、リヴァイ。」


「あぁ。……大丈夫か?」




決断の後、座っていたソファに沈み込んだエルヴィン。




急激に目まぐるしくなった日常に疲れているのではないかと、リヴァイが気遣う。







「大丈夫だ、ありがとう。」



沈んでいた身体を起こして、リヴァイに少し微笑む。



しかし、その微笑みはすぐに消え、強い意志を持ったまなざしに変わった。










「ここからだ。ここから始まる。」


「あぁ。」
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