夕陽、見上げて

□第22話(前編)
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――数か月前。







中央政府から発表された調査兵団の組織表が新聞によって公開された。




そこには、団長のエルヴィンや兵士長のリヴァイ、そしてエリを含む分隊長の3人が写真と共に掲載されていた。





その記事を恍惚とした表情で見つめる男が1人――。







「やはり、いい眼だ。」















【第22話(前編)】















王都・地下街。







エリとリヴァイは、ある人物を探し出すために、休暇を利用して訪れた。





あくまで私用な目的で訪れているため、2人は着なれた団服を脱いで、珍しく軽装で歩いている。



団服で行動すると、調査兵団として動いていることになってしまうからだ。










「おい見ろ!」


「あれって、リヴァイ兵長じゃないか?」


「何でこんなところに…。」





しかし、調査兵団の要職に就く2人が出歩くこと自体、危うい行動である。



現に、最近「人類最強」と囁かれ始めたリヴァイは、もう街の人間に気づかれていた。


絶対に騒動などは起こせない。







「リヴァイ兵長は昔、地下街の有名なゴロツキだったと聞いたことがあるぞ。」




好奇の目にさらされてどんどん機嫌の悪くなっていくリヴァイの横を歩いていたエリに、かなり気になる言葉が聞こえてきた。







「…嘘でしょ。」


「うるせぇ。黙って歩け。」







エリが怪訝な顔でリヴァイを見ながらつぶやくと、リヴァイは間髪入れずにエリの怪訝な目を振り払った。




地下街出身だとは聞いたことがあったが、有名なゴロツキとは初耳だ。
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