夕陽、見上げて
□第25話(最終話)
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「…。」
朝一の会議も終わり皆それぞれ部屋を出ていく中、ハンジは目の前の2人の様子を机に肘を突いてジッと眺めていた。
「膿んでないか?」
リヴァイがエリの髪をかきあげて確認したのは、先日開けたばかりのピアスホール。
顔を覗き込むような形で、エリの耳を確認している。
「大丈夫だよ…。」
一方エリは、滅多に見ることがないしおらしさを持ってリヴァイに対応していた。
肩を少し縮め上目遣いにリヴァイを見て、その頬はほんのりと赤く染まっている。
リヴァイが耳を確認している間は、目が終始泳いでいた。
「これは……ついに来たか?」
【第25話(最終話)】
その日の昼休み、業務の都合で昼食の時間がずれてしまったエリとハンジは、2人で昼食を取っていた。
「なんか最近エリってさぁ、リヴァイの前で女の子だよね。」
「………は?」
「恋しちゃったんじゃな〜い?」
「――っ!!!」
食べ終わって残りの昼休みをのんびり過ごそうと思っているとハンジが唐突に話を振ってきたので、
エリは食後に飲んでいたコーヒーを危うく吹き出すところだった。
「急に何言うのあんたっ!!」
「えー、だってそうでしょ?」
「――っ。」
「アレ?……え?えっ!!否定しないの?!!」
エリの反応に興奮しだしたハンジは立ち上がって小躍りを始めた。