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□あんぱんと私と先輩と
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この日も私はいつものように早く起きてご飯も食べて身支度をして登校する。
私は本当に普通の女の子。
自分で言うのもあれだけど、普通が1番いいと思う。
だから私は目立つことがあまり好きじゃないし、なんのトラブルも起こすことなく普通に高校生活を送りたい。
今日も私は普通に登校して普通に過ごして普通に下校したかった。
でも今日は朝から変だった。
私は珍しく寝坊してしまい、学校についたのは予鈴のチャイムがなり終えたあとだった。
平助くんと途中で合流したときは本当にまずいと思ってしまった…平助くんごめんなさい…。
しかもよりによって今日は校門の前に風紀委員の斎藤一先輩が立っていた。
この時間に来たことはないからあまり良く分からないけれど、斎藤一先輩は風紀委員の仕事で忙しいと聞いていた。
『はぁ…はぁ…。間に合った…。』
「はぁ…はぁ…なまえが寝坊なんて珍しいじゃん。昨日の夜ゲームでもしてたのか?」
『平助くんじゃないんだから!そんなことしないよ!』
平助くんと校門前で会話していたその時。
キーンコーンカーンコーン――――
『えっ…?今のって…』
「チャイム…だよな?え、じゃあ俺たち…」
『遅刻?!そんな…』
そう、わたし達は校門前で話していてわけで…敷地内に入ってなくて遅刻になってしまった。
「ごめんな…なまえ。俺のせいだ」
『なんで?平助くんのせいじゃないよ!』
わたし達がそんな会話をしている間にこちらに近付いてきている影があった―
「平助、お前はまた遅刻か…」
「一くん!違うんだって!今日は間に合ったんだよ!」
「例えチャイムが鳴る前に校門前に着いたとしても中に入らなければ意味が無いだろう。」
『うぅ…ごもっともです…。』
「平助、生徒手帳を出せ。お前はあと1回遅刻したら指導室行きだ。みょうじお前もだ…。」
「あと1回?!そんな!嫌だよ俺!土方先生の説教なんて絶対嫌だ!!!」
『はい…これ、生徒手帳です。』
「ならばもう遅刻しないことだな、平助。みょうじ…お前は珍しいな、何かあったのか?」
『いえ…寝坊しちゃって…気をつけます…。』
「そうか。」
そう言って斎藤先輩は私の頭を優しく撫でてくれた―