ふりー!
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翌日。
「だめだったぁ…。怜ちゃん水が嫌いみたい…」
「そんなやつはほっとけ。水に入れるな」
「そんなこと言ってると誰も入ってくれないよ!?そしたら冬はひたすら筋トレとマラソンだよ?いいの!?」
『良くないよねぇ、ハルにとっては』
案の定ハルから「嫌だ」という苦しげな声が漏れる。すると渚がまたあまちゃん先生に水着になってもらう案を出したりするが、結局本人の登場と無言の圧力によってその案も却下となり、私たちはいよいよ行き詰るのだった。
*
ハルと真琴と帰っていると突然携帯の着信音が鳴り響いた。画面を見てみるとお母さんからだ。なんとなく内容はわかるが一応出る。
『もしもし』
「あぁ芽生?もう学校終わってるわよね?」
『うん、おつかいでしょ?何買って帰ったらいいの?』
「あら〜話が早くて助かるわ〜!でもそれだけじゃないの、おばあちゃん家にお魚貰いに行って欲しいのよ〜」
『えっ今から?おばあちゃん家って電車乗らないと行けないのに…』
「つべこべ言わない!お魚なんだから傷んじゃ勿体ないでしょ!あと買ってきてほしいの言うからメモ取りなさいね〜」
『わっちょっと待って!真琴ごめんメモ借りていい!?』
*
一日授業を受け勧誘に明け暮れ疲れ果てているというのに、お母さんの理不尽すぎるお願い(もはや命令)で私は電車に乗りおばあちゃん家に向かった。そしてクーラーボックスに大量に入れられた今朝釣ったばかりの魚を片手に帰路についている。ああ、ちがう、スーパーにも寄らないとだめなんだった。
『あ、ちょうどいいとこに』
重たいクーラーボックスをよいしょと運びスーパーで頼まれた食材を買う。なんだかんだで結構な量だ。スーパーの袋に詰めながらふと窓の外を見ると、
『へっ!?!?』
凛!!??
まさかの人物に私は手にした人参を落としてしまうのだった。