ふりー!

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『いってきまーす!』

今日は始業式の次の日。新しいクラスで授業を受ける最初の日だ。昨日の始業式に幼馴染の一人が来てなかったけど、今日はちゃんと来るかなぁ、心配しながら通学路を歩いていると後ろから名前を呼ばれた。

『あ!真琴にハル!』
「おはよう、芽生」
『おはよう。ハル、ちゃんと来てよかった〜。今日も来なかったら家に突撃しようと思ってたんだよ?』
「…お前も真琴も心配しすぎだ」

呆れ顔のハル。ここは嬉しい話題を振ってみようと思い、今年は3人とも同じクラスであることを伝えてみたけど反応は薄い。去年は私だけ離れてすごくショックを受けた私にとっては嬉しすぎる展開なのに、ハルにとっては取るに足らないことなのかもしれない。

「去年クラスが離れた時の芽生の泣きそうな顔は忘れられないなぁ」
『もう、あれは私も後から思い返して恥ずかしくなったんだから、忘れて!それに二人と離れたのはショックだったけど、それのおかげで他にも結構友達できたんだよ。あの一年間は私の人生の中で一番成長した時かも…』
「お前、俺たちといる時といない時とでキャラが違ってたもんな。必死だったんだな」
「あははっ…まぁとにかく、今年は三人一緒ってことで俺も嬉しいよ」

久しぶりの3人での登校。楽しそうに新任の先生の話をする真琴に、海を見ながら歩くハル(多分早く海で泳ぎたいって考えてる)、この二人がいたらきっと楽しい1年になるんだろうなぁ。

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