ふりー!

□3
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3.
凛と再会した翌日、私たちは職員室で先生にこっぴどく叱られた。ハルは昼から早退しちゃうし、仕舞いには先生も呆れ顔だ。最終あまちゃん先生の助太刀もあって、私たちはようやく解放されたのだった。その際に先生が使った李白の言葉の意味はよくわからなかったけど…。

「松岡凛松岡凛…。本当にこの学校にいるのかな?」

その後私たちが向かった先は靴箱。目的はもちろん、凛の靴箱を発見することにある。でも全然見つからない。真琴は転校して来ている可能性があるって言うけど、私にとって昨日の出来事はなんだか夢のようなふわふわしたモノになっており、凛はやっぱりまだオーストラリアにいるんじゃないかって、そんな現実逃避にも似た思考を巡らせていた。

「あ、あった!」
『えっ』
「本当!?」
「…いや待って、松岡江?どこかで…」

真琴が見つけたロッカーに書かれた“松岡江”という名前。その名前には覚えがあった。こないだ屋上でも見かけた、赤い髪の女の子。

『凛の妹の江ちゃん!?』
「うん、間違いないよ!」




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