ふりー!

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「そんなの無理に決まってるでしょ」

江ちゃんが提案してくれたプールのあるジムを、部費で料金を支払ってオフシーズンで借りようとしたのだが、私たちのそんな希望はあまちゃん先生の一言によって完全に打ち砕かれてしまったのだった。やはり新設で何も実績のない部活には部費はそんなに出ないらしい。

「それはつまり実績を出せばいいんですか?」
「そうねぇ…部費がたくさん欲しいならそれが一番手っ取り早い方法かしら」
「……」
『あ、ハルの目が変わったよ真琴』
「完全に食いついたみたいだね」

結局私たちは夏の大会で実績を出すという目標と、そのためにもう一人部員が必要ということになり、やはり部員を見つけることが今一番優先すべきことなのだという結論に至ったのだ。


そのために真っ先に行動を起こしたのがハルだ。

「おい、これやるから水泳部に入れ」
「い、いやです…」

廊下にたまたまいる人に片っ端から声をかけては岩鳶ちゃんストラップで釣ろうとしているが、そう簡単にはいかないようだ。…私もがんばらないと。

『あああのっ!これ、岩鳶ちゃんっていうんですけどかわいいですよね欲しいですよね!?』
「え?あ、はい…」
『あ、ありがとうございますこれで晴れてあなたは水泳部部員です!』
「はぁ?」
「あああすみません!なんでもありません!…もう芽生まで張り切りすぎ」
『え?今のだめなの?』
「はぁ…」




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