風華月炎
□約束。
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オレ、絶対守るから。
お前との最後の約束……。
だから、だから……今度また会えたら直接伝えたいんだ。
あの一言を―。
約束。【藤原 翔+牧野 駿+一之瀬(瀬碕)砂夏】
「いつまで……そうしてるつもりなの?」
冷たく言い放つ砂夏の声―。
わかってる。わかってるけど……!!
あいつは、もういない。この世にはもう……。
正直信じたくなかった。
いや、今でも半分信じてなんていないんだ。
あいつがもう隣にいないなんて……。
「翔……。約束、覚えてる?駿くんとの」
約束……。あいつと、交わした………忘れるハズのない、友情の証。
最後の、約束。
「覚え……てるよ。………大会で、ずっと……ずっと優勝し続ける……」
俺は、精一杯の声を絞りだした。まるで誓いのように……。
「守り続けなよ、絶対に……。二人の友情の証、なんでしょ?」
「ああ……」
「ほら、最後の挨拶しに行かなきゃ。そろそろ時間だよ。駿くんだって、翔が来るの待ってるよ」
「すぐ行くよ」
俺がこの後、中学・高校と大会を優勝し続けることが出来たのは、きっと駿との約束があったからだろう。約束であり、友情の証のおかげだ。
高校最後の大会、優勝のトロフィーとメダルを俺は駿に届けた。
『ありがとう』の一言と共に……。
END
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