if〜パラレル〜小説
□彼のプライド
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それはいつものように食器を洗っている時だった。
「―――あら?」
手に取ったのはたった1つのカップ―――
『彼のプライド』
「キラ、そろそろお茶にしませんか?」
そう言ってラクスは自室のパソコンでモルゲンテーレからの仕事をしているキラに声をかけた。
「あれ?もうそんな時間?」
「はい」
「母さんや子供達は?」
「カリダさんは買い物に、子供達はお昼寝中ですわ」
キラはパソコンの画面を見ながらラクスに質問し、ラクスはそんなキラの背を見ながら答える。
しばらくキラのキーボードを打つタイピングの音が鳴る。
キラは手元の資料を見て、「もうすぐ区切りがいいとこにいくから、先に行ってて?」とラクスに言うと「では、準備してベランダで待ってますね?」と言ってラクスは部屋から出ていった。
ラクスがベランダにお茶の準備をし終えると同時にキラが来た。
キラは「う〜…目が疲れた〜」と言いながら席に着く。
キラは朝からモルゲンテーレからの仕事をしていたのだから、目が疲れるのは当たり前だ。
ラクスはそれに苦笑しながらカップに紅茶を注いでキラに渡した。
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