妄想〜パロディ〜小説
□彼は○○科の○○検査
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「キラ、まだソレ持ってたのか」
そう言うのは、滅多に着けないアクセサリーをキラが着けてたから。
「何?悪い?」
「いや…そこまで気に入っていたとは思わなくて…」
今の季節はハァと息を吐けば白くなる冬。
寒い…と思いながら思い出すのは、2年前の桜が散って梅雨がくる前の頃…
中学2年の5月のある特別な──
だけど彼にとっては…
面倒臭い事この上ない日のこと──…
『彼は○○科の○○検査』
「あ、あの!ヤマト君!コレどうぞ!」
「ヤマト君、コレあげる!」
「ヤマト君、あの…」
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「気持ちは嬉しいけど、受け取れない」
「「「「で、でも!」」」」
「1つ受け取れば、他のも受け取らなきゃいけない
帰り重くなるのイヤだから持って帰って」
「「「じゃ、じゃあお菓子は!?」」」
「何?僕を太らせたいワケ?
その量食べたら糖尿病になって死ぬよ」
彼-キラ・ヤマトの辛辣で冷たい言葉に、彼にプレゼントを持ってきた女子達は何も言えなくなり押し黙る。
中には泣き出しそうな子までいるが、彼はそんなこと知ったこっちゃないと言わんばかりに無視する。
「ちょっと!せっかく作ってきたのに、それはないんじゃないの!?」
泣きそうになった女の子の友達が、怒りを露にしてキラに怒鳴る。
けれどキラはその子を一瞥して淡々と言う。
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