BOOK・・

□ただ側にいるだけでいい。
4ページ/6ページ

ーーーこいつの手冷えな。
と思いつつも手を握りしめて屋根のある場所に向かう。
すると、こいつは『わっちは女を捨てたんじゃ。女扱いをするのをやめんなしっ。』と言うもんだ。ーーー俺には、どんなに女を捨てたと言っても、しなやかな体。なめらかな指先。手を握りしめているのもあってか手が小さく、どっからどう見ても女にしか見えねぇ。『俺から見れば、お前は女だよ。』と繋いだ手をぎゅっと強く握る。

握りしめた時、頬が赤く染まる月詠を見て、銀時はやっぱりお前は女だよ。と感じる。そして銀時の心の中に、もっと守ってやりてぇという気持ちが芽生えた。

ーーーーーーーーーー

『とりあえず体をふくものっていえば・・。』と銀時は懐を探せば、パチンコのキャンペーンでバニーガールから配られたハンドタオルがあった。

『おいっ。これで体拭けよ。俺はそんなに濡れていないからよ。』とタオルを月詠に渡す。

『わっちは大丈夫じゃ。ぬしの物だから、ぬしが使いなんし。』とタオルを押し返される。

ーーーなんだよ。人がせっかく・・。ってか俺のだと嫌なのか??銀さん傷ついちゃいますよ。とガラスのハートが今にも壊れそうな勢いだ。
『俺は、羽織でふけばいい事だ
しっ。いい加減にお前が使え!!』と月詠を引き寄せ月詠の髪をガシガシとふく。

すぅーと月詠の髪から、椿の香りがほのかに漂っていく。ーーーってか、俺たち近いんじゃね。俺がしたとはいえ・・やべぇ。どうしたらいいんだ。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ