BOOK・・

□誕生日前には、彼女を怒らすな。
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いい金になる仕事が、次から次へと入り月詠と会う時間も少なくなった。

あいつも忙しいのか、万事屋に来る事もないまま10月に入ったある日。
月詠から1本の電話が入った。
『ぬしの誕生日の事で、話がしたい・・。』と。

それを聞いて、心は会えなかった分とても会いたくて、酔っ払いという装備を身にまとい月詠のいる吉原に向かった。

『おーい。月詠。てめぇ、まだ仕事してんのか??』月詠を見つけた銀時は、上機嫌で月詠の側にくる。

一方月詠は、鼻を押さえ『ぬし、相当酔っておるな。ちょっと時間がかかりそうなのじゃ。では、銀時失礼する。』と早足で銀時の横を、通り過ぎようとする。



ムシャクシャした。
俺は、忙しい中でも会いたくて。会いにきたのに。
あいつは、仕事だと冷たい顔で。それを好きになった俺もいるわけで、余計ムシャクシャ腹がたった。


どうにかあいつを引き付けたくて、言葉にしたのはそう・・。
『あー。銀さん飲み足りないなぁ。どっかの姉ちゃんと飲もう。そうだ。すまいるでも寄っていこう。』と鼻歌をなびかせながら月詠を逆方向に進んでいった。

するとやはり、月詠から『銀時っ。ぬし本当に地上に帰るのか??ひのやでも休憩し
ないのか??』と少し寂しそうな顔をする月詠に銀時は、しめしめと笑いながら悪ふざけを続けた。

『あー。俺の勝手だろ。だいたいお前との晩酌よりプロのねーちゃんがいいもんな。それと誕生日もパァとそこで、祝ってもらいてーくれいだ。』とじゃあな。と一言つけ、地上への道を歩いた。

きっと来るだろう。と思った。それなのに来る事はなく『わかりやんした。』と月詠も一言告げ、その場を去った。


あー。あれで俺はこの日に散々心も掻き乱されたのかと、苦くなっていく酒を口に飲み干す。

こいつは知らねぇだろうな。俺がどんな思いで・・。と横にいる月詠を見れば、そんな事お構いなしに話を進めていく。

『それからな。日輪に相談すれば、ここで働けば、ぬしの言ったのがスキルアップにも繋がると話していてな。だから、働きにきたんじゃ。まあ、ぬしのおかげで吉原にも、花魁のためのBARでも作ろうと狂死郎殿と話になったんじゃ。いちおは、感謝する。』と笑顔で返された。


日輪の野郎・・。月詠がここに来れば、俺が勘違いをする事を百も承知だったのだろう・・。
まあ、彼女の普段とは違う姿に最後は笑顔も見れたのだから良しとするか。と銀時もふんと笑顔で返した


『ところでよ、万事屋。なんでてめぇは、女装できたんだよ。』とタバコを吸いながらもニヤニヤ笑う土方に、イラッと腹が立った銀時は『てめぇ・・そのニヤニヤ顔潰してやろうかぁ!!?』と木刀を取り出す。
『おう。望むところだ。』と土方も身を乗り出した。




『銀さん、土方さん。ここでケンカは止めましょうよ。月詠さんの計らいで、この場を借りる事出来たんだし・・。』

『メガネは黙ってろ!!!』

『なんで、いつも僕だけこんな役・・。』と新八をよそに、賑やかな誕生日パーティーが開かれました。とさ。




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『おい、エリザベス。いつになったら、皆集まるのか。』と桂は外でスタンばっていました。
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