BOOK・・

□キスしてって最初は言いにくい。
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たわいな話をしていると、店員がパフェと、キャラメルマキアートを持ってくる。
『うひょー!!きたきた!!これだよこれっ。』と子どもの様にはしゃぐ銀時に、他のカップルの白い目が刺さる。

『銀時っ。いい加減にしなんしっ。変な目で見られとるぞ。』となんとか銀時を落ちつかせた月詠は、キャラメルマキアートを飲む。
『これは甘いのぅ。けどたまには、いいのう。』と言う月詠に銀時は『なぁ、甘めぇのそれ??ひと口くれよ。』とせがむ。
『えっ!!これをかっ!!?ぬし、パフェがあるだろう。そっちを食べなんしっ。』と言う月詠は、内心心臓がバクバクであった。
ーーー銀時っ。何を言ってるのだ。そっそれは、間接キスではないか!!?

だけど、そんな事知らずな銀時は
『ちょっとぐらいいいじゃん。なんだよ。そんなにあげたくないくらい美味しいのか!!?』と逆効果である。

『嫌じゃ。これは、わっちの物じゃ。新しいのを頼めばいいでありんしょう。』と机をバンッと叩いた。

客が2人をなんだ。と白い目で見ている。それに気付いた銀時は『おいっ。俺が悪かった。これ食べて飲んだらさっさと出ようぜ。』と言ってからは、何も言わずパフェをほうばっていく。
カフェ
から出た後も、何も話せず歩く2人。
月詠は、申し訳ない気持ちでいっぱいいっぱいであった。
こんなに楽しみであった、デート。
このデートで、自分からキスしてと言うと決めて意気込んでいたのに。
銀時と、好きな人と一緒に入れてこんなに嬉しいのに空回りしていく自分にだんだんと嫌気がさし泣きたくなっていた。

『なぁ、今日俺とのデート嫌だったか・・??』

えっ。と銀時な顔を見ると、どことなく悲しそうな顔で笑う銀時がいた。
『俺、てめぇに会えて笑って楽しんでたんだけどな。てめぇが嫌ならそれでいいわ。帰るとしますかっ。』と吉原の方向へと足を運ぶ銀時に月詠は、銀時の袖を掴み下を向いているままだ。

『どうした??けぇるぞ。』

『待ちなんし・・。』

『えっ、なに聞こえない。』

『待ちなんしと、いうとるんじゃ!!ボケェ!!』
大声出して叫ぶ月詠。俺何かした??とビクビクしている銀時に月詠は銀時の頬に手をあてこうつぶやいた。

『キスしてほしいんじゃ・・。それを言いたくていろいろ迷惑かけてすまぬ。』潤んだ目は、腫れぼったになり涙が溢れてきそうである。

『月詠。それが言いたい為に、今日はいつもと変だったのか??』優しく頭を
撫でてくる銀時の優しさには、月詠も耐えきれなくなり一粒一粒と、涙が流れだす。

『うっうっ。キスするにも、ぬしばっかりだったから、今日は自分からと決心していたのに空回りばかりして、ぬしに嫌な思いまでさせてしまってすまぬ。こんなわっちを嫌いにはならないか??』と銀時を見上げた。

『バーカ。何言ってんだよ。嫌いだなんて思わねぇよ。むしろ、可愛いすぎだろ。俺のツボ付きまくってんぞ。』と月詠をぎゅーと抱き締める。

『銀、銀時。苦しいぞ・・。』強く抱き締められているため、胸板でモゴモゴとうごめいている月詠に気付いたのか『あー。わりぃ。あまりにも、可愛いから抱き締めちぃまったな。』とクックックッと顔を背けて笑っている銀時を見て、月詠も同じく笑った。

『銀時・・。改めて言うが・・。キスしてはくれぬか・・。』
月詠は心臓が強く高まり、顔を真っ赤にさせる。

『おおせのままに。』と月詠の顎を引き厚くキスを重ねる銀時と月詠であった。
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