BOOK・・

□祝ってほしい人ほど、祝ってもらえない事もある。
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スナックお登勢に来ると、みんな打ち上げ終わりなのか、片付けをしているたま、お登勢、定春ぐらいしか残っていなかった。

『なんだい、あんたも行ってると思っていたよ。』タバコをふぅと吐くお登勢。

『あっ。ちょいと、散歩してたんでな。みんなは??』

『銀時様、皆様はお妙さんが働いているすまいる。に2次会という事で行きましたよ。銀時様は行かないのですか??』

『ああっ。ちょっとしてからでも行くわ。俺がいねぇと始まらないからよ。』とつくり笑いで返した。

『ふんっ。そうだったらいいんだけど、今日は、神楽は新八の所へ行くそうだよ。あと・・。』お登勢が話しているにもかかわらず、銀時は引き戸を開け去ってしまった。

『なんだい。あの子は。上に吉原の姉ちゃんが待っているっていいたかったのに。』と最後の言葉を聞かず。

銀時は、この場所には居心地が悪いと外には出たが、すまいるにも行く気がおきない。とりあえず、明日は、なんとか誤魔化して今日は家に帰りますか。と2階にあがる。

カンッ。カンッ。
階段の音がするたび、無性に惨めさか増していく。
たった一声だけなのに。顔見るだけなのに。
本当に何やってんだと思う銀時は、ふと玄関の
方の明かりに気づいた。

『あれ??俺電気消したはずだけどな。』と思い鍵を回すと閉まっている。もう一度回せばドアが開いたのだ。
ーーーこれって、新種の泥棒??泥棒しては、鍵開いてたり、電気つけたりとわかりやすいな。と思いつつ居間に行くとそこには、ソファに持たれて、スウスウと寝息を立てていた月詠がいた。


『つ、つくよっ・・。』
銀時が、咄嗟に出た声が、月詠の耳に入り月詠は、『すまぬ。寝てしまっていた様じゃ。ところでぬし、2次会はどうしたのじゃ・・??』と声をかけるが銀時は立ち止まったままだ。

ーーーびっくりした。アイツがこんな所にいるなんて思わなかった。
けど、会いたいヤツに会えた。
その事が頭いっぱいで、自然と笑顔になる。
『あっ!!なんだ??なんかいったか??』

『ぬしは、頭が空っぽなのか??まあ、よいちょっと待っとれよ。』

月詠は、台所を借りるぞ。と銀時に言い台所に入ると、甘い匂いが漂ってくる。
そして、何やらガサゴソと音がする。

すると、台所から恥ずかしそうに出てくる月詠。

それを見た銀時は、鼻血が出そうないきおいでうずくまった。

ーーーあれれれれぃ!!?あれってメイド服じゃん。しかも、
俺の好きなチョコレートパフェじゃん!!!!

『おいっ。月詠・・。どうしたんだ。頭でも打ったのか??』
銀時は、目が仰天な状態だ。

『ぬしのために、好きなものを神楽に聞けばパフェと言っており、日輪には、パフェ持ってメイドなんて着たら喜ぶと思うわよ☆とぬかしておったからいろいろ探して、こんな時間になったのじゃ。だが、こんなのいらない贈り物だったな。』ともう一度台所へ戻ろうとする月詠を引っ張ると同時に月詠は後ろから引っ張られたため体勢を崩し、パフェが月詠にかかった。

『銀時っ!!いい加減にしなんし!!わっちをどうするつもりじゃ。』
月詠は、銀時を睨むが、銀時は月詠を支えるべく後ろで抱きしめた。

『お前、俺のためにこんな事してくれたのか・・??』

『そうだと言っとるだろう。もうわかっただろう。離しなんしっ!!』と抱きしめられてる手をどかそうとすると
『お前に会えて、こんなに嬉しいのにこんな事までしてくれて俺は、どんだけ幸せ者なんだよ。』と銀時は、泣き崩れそうな声になっていた。月詠は、それに気づきそうっと抱きしめてあげたいのだが、後ろから抱きしめられているため、後ろにもたれて『ああ。ぬしは幸せ者なんじゃ。銀時・・。誕生日おめでとう。』と子どもをあやす様な声でつぶやいた。

ーーー俺は幸せ者だ。
いろんな人から、こう
して祝ってもらって
1番に祝ってほしいヤツに祝ってもらう事が出来たんだから。

『ああ。ありがとうよ。』
と月詠の肩に顔をもたれさせ、にこやかに笑った。



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