BOOK・・
□ただ側にいるだけでいい。
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雨に罪悪感が流れていってほしいと思う中、銀時の事を思い出す月詠。
ーーーアイツも、攘夷戦争で戦っていたと聞いたな。アイツも、きっとわっちよりも、血の雨を浴び続けていたのだろう。
だが、アイツは非情にはならなかった。本当に強い心をもつ男じゃな。わっちは、あんな強い心なんて持てぬ。と考えている中『おいっ。』と声をかけられた。
声を向けられた方をみると、銀時が立っている。銀時の顔を見た月詠は、なんだか気持ちが穏やかになり、ふっと笑った。
『今から、ぬし達の所に行こうと思っていたのになんじゃ??お迎えにか??』
『いや。そこをプラプラしてたらねってか、お前濡れまくってんじゃねーか。濡れるのは、体に毒だろ。女の子は、冷え性は大敵だよ。』銀時はため息をつきながらーーーとりあえず行くぞっ。と手を引っ張って屋根のある場所まで行く。
『わっちは女を捨てたんじゃ。女扱いをするのをやめんなしっ。』と言えば、『俺から見れば、お前は女だよ。』と繋いだ手をぎゅっと強く握られた。
握られた瞬間、どきりと強く胸をしめつけていく。