BOOK・・
□お祝いの一言って人によっては、言いずらい。
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ーーーーーーいつもの俺ならこんな早起きはしねぇのにな・・。
と思いながら真っ暗ではあるが夜明けとなる空を銀時は窓から見上げていた。
眠れなかった。
あいつの生まれた日付に近づくにつれ、フトンに入ってもギンギン銀さんだった。
カチッカチッと時計の針が部屋じゅうに響きわかるぐらいに神経を尖らしていた。
カチッと。止まるかの様に聞こえて時計を見れ小さい針と大きい針が重なり、0時を表示していた。
2月9日。
月詠の誕生日・・。
本当は、月詠の誕生日にちょうどなった時に一言声をかけてやりたいのだが、前もって『今日は夜勤じゃ。』と聞いていたから迷惑はかけたくない。と思い早朝にと決め込んだ。
周りの者がいれば、冷やかされるのが見え見えで、そうすれば恥ずかしさのあまり嫌味をかけてしまう。
誕生日の主人公にそんな事出来ない。
せっかくの誕生日だから・・。
あいつには、幸せな1日を過ごして欲しかったから。
だから、そんな事を想う相手に、1番最初に声をかけてやりたかった。
そんな事考えながら、家から出たのに・・。
声をかける前に無邪気な子供に一歩先を取られてしまった。
で、今ひのやでこう1人悶々として
いる銀時であった。
『月詠さん。誕生日おめでとうございます。これ、喜んで貰えるか悩んだですが・・。』と新八は青のリボンに白い包装されたプレゼントを渡した。
渡した時に月詠の感謝の気持ちの前に神楽が『地味な色合いだな・・。まるで新八みたいアルネ。ツッキー・・早くプレゼント開けて包装紙をすぐ捨てるネ。』と早く中身を見たいとキラキラと目が輝いている。
『神楽ちゃん・・。顔はそんなな可愛い顔してんのに、言葉は酷いよね・・。ってあれっ?月詠さんもそんな風に感じているの??僕って何処でもそんな感じなのォォォォ。』と新八が凹むぐらいに月詠は、瞬時にプレゼントを開け、包装紙やリボンを捨てた。
『新八。これは・・最新刊の『ぬし届』ではないか。・・改めてありがとう。』と笑う月詠に新八は『月詠さんが喜んでもらえれば、僕は嬉しいです。』とさっきの事は忘れたかの様に新八も笑っていた。
だが、そんなにこやかな仲間にイライラと募る銀時は、『俺、パチンコ行くから。』と捨てセリフを吐く様にその場を去った。