BOOK・・A

□ココアで暖かく。
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もうすぐ、今年という季節が終わる中・・最後の仕上げだと急いで書類やらをパソコンで打ち直している月詠に




『ほらよ。』

コトっと自分専用のマグカップが置かれ、中から湯気がモクモクと月詠の鼻をくすぐる。

『ぬし・・これは、ココアではないか。わっちは緑茶だと・・。』

『女の子が、そういう事言うんじゃありませーん。女の子は甘いものって昔っから決まっているんだよ。』

じゃ。と告げ、職員室のドアに手をかける。すると、後ろを向いた銀八は『あまり疲れすぎると、貧血とかで倒れますよ。・・月詠先生。』と笑いかけ、職員室から出た。




ーーーーーその笑顔を見れるだけでもわっちは頑張れるんじゃ。
銀八が生徒に戯れとる後ろ姿や、横顔しか最近見ていなかったためか、今はわっちを見てくれるだけで、顔が赤くなってしまう。だけど、それが嬉しい。
銀八もわっちを見てくれているようで。



『よしっ。あと一息頑張るんじゃ。わっち。』
とギュッと手に力を入れ、パソコンに向かいだし作業を始める月詠。






その職員室の外では・・

『・・こっちまで、心の声聞こえているんですけど・・。可愛いですけどこのヤロー。』とうずくまる銀八も顔を、赤く染まっていた。

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