BOOK・・A
□アメノナカデ。
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ーーーーーーそう、車に乗らなければ。
わっちがあのまま寝なければ。
こいつに気を許したのがいけなかったのじゃ・・。
少しずつ、前の事を思い出し今の状況を呑み込んだ月詠は必死に銀時の胸を叩いて抵抗するが、銀時に腕を上に挙げられ身動きが取れない状態になった。
銀時は・・『男』月詠の『女』の力ではどうする事も出来ずに行為は続いていた。
・・どことなく気さくに笑いかけてくれて
・・どことなく心配してくれて
・・どことなくケンカばかりして
同期だから・・。お互い対等な立場であってお互いこの仕事が好きで・・。
だから・・銀時とはそういう関係にならないと思っていた。
・・『仲間』だと思っていた。
そんな甘い考えをしていたのは、わっちだけだった。
今はただ、恐怖心が駆り立てられるのだが、身体は裏腹に顔を真っ赤にさせて銀時の舌に受け入れていた。受け入れながら・・だんだんと自分では聞いた事のない声が自分の口からこぼれ出してくる。
ーーーーーーわっちは、この状況で・・。なんて変な声を出すのじゃ?
わっちじゃない気がして余計に怖い。
初めてのキスだったのに・・。なぜこんな無理矢理奪われているのに逃げれないん
じゃ?
わっちの口、頼むから。動いてくれ・・。
『あっ。んっ。・・いやぁ。』
月詠は、必死に口には出したが、その言葉はいやらしく銀時を煽るだけであった。