NARUTO

□もっともっと、傍に
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外は土砂降りの雨で
知った気配が近づいてきたものだから
先回りしてドアを開けた

『せんせっ』
「えっ、ナル…」

名前を呼ぶ前に思い切り押し倒され
しかもナルトは雨に打たれて来たようで
俺も巻き添いをくらった


『せ、んせ、
…だいて、ってば』

震えた声で呼ばれて、しかも誘われて
欲情しないわけがない。

けれどナルトの様子がおかしい


「ナルト、どうかしたの?」

身体を起こし尋ねれば
俯いて身体を押し付けてくる

『別にどうもしてないってば、
せんせーに、抱いて欲しくて』

急いで来たんだ。なんて
可愛いことを言ってくれる

『お、れっせんせーがすき』

『せんせーしか、いなくて』

『せんせーじゃ、ないと…』


全て愛の言葉なのに
笑顔は一つも見当たらなくて
それどころか段々と嗚咽が混じってきて、
どうしてこうも辛そうなのか。



「ナルト、ナルトは俺の事好き?」

『も、もちろんだってば…
だから、だいて?』

「俺もね、お前のこと好きなんだ」

『先生?』

質問とずれていたせいか
ナルトは不安な様子で俺を見ていた


「ナルトが傍にいないと不安なんだ」

『そば、に?』

「そ。
俺もね、えっちもしたいよ?
けど、それよりもナルトに笑っててほしいの、
俺の隣でね。
そしたら、すごく安心するから、ね?」

『先生のそば、にい、る、だけで、いいの?
おれ、ってば、せん、せっ』


「俺はお前の身体も好きだけど
お前の全てが好きなの。
だからそんな言い方しなーいの」

額にデコピンをくらわせたら
眉間にしわを寄せていて、

「そういう顔、みせて」

色んな顔をみせて、
不安ばかりの表情じゃなくて

『カカシ先生、そば、にいるから、
先生も、おれのそばにいて…?』

「当たり前でしょ」


二度目のでこぴんはナルトの手にガードされて
ニシシと笑ういつものナルトに会えた

「お風呂入ろうね」

そのあとえっちしようね

と言えば顔を真っ赤にしてうろたえていて、

「今度は俺の勝ち」

『今のはずりーってば!』

ナルトを抱えて風呂場に向かった



もっともっと、この子に笑顔を、
もっともっと、この子に愛を

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