NARUTO

□口に出すから叶えて欲しい
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『あけまして
おめでとうございますだってばよ!』

「おめでとう」

二人が付き合って初めての年越しは
カカシの家だった


『なぁなぁ、カカシ先生、
来年も先生の家で年越してもいい?』

年越しそばを頬張りながら
来年の約束を取り付けようとするナルトに
カカシはくすりと笑った

「もう来年の話?
まだ早いでしょーよ」

ナルトは
早いとか遅いとかの問題ではないと
箸を置いて話し始めた

『この前さくらちゃん達が言ってたんだってば
叶えたいことは口に出すといいって
だからオレもー!』

口に出したことで満足したのか
ニコニコと嬉しそうで
カカシもつられて笑った


「あー、そういう事ね」

納得しながらカカシも考えてみる

「じゃあ俺もやってみようかな」


思いついたように言えば
『カカシ先生も叶えたいことあるのか?』

意外というふうにナルトは箸を止め
カカシを見つめた

「そりゃ俺にだってあるよ」


にこりと笑って
例えば…

「ナルトと死ぬまで一緒にいられますように」


『なっ、先生そんなのありかよ!!
スケールでかいってば!
なんかそれずりぃ!!』

思っていたものと違ったのか
批判するにも顔が真っ赤で
照れ隠しだと分かり易い反応に
思わず吹き出しそうになる


「ありあり。こういうのは言ったもんがちなのよ」

『なんか負けた気がして悔しいってばよ』

さっきの勢いとは逆にしゅんと下を向いたと思えば
何かを思い付いたように顔を上げた


『でもさ、そんなのがいいんだったら、

か、
カカシ先生が、
オレの事ずっと好きでいてくれますように。

とかでも、いい…ってば?』

なんとも遠慮がちで
カカシはそんなところも愛しく思う反面、
言葉は大胆で


「それじゃあ俺は、
ナルトが俺の事ずっと好きでいてくれますように」

カカシが同じことを言えば
ナルトから不安そうな表情も消え
ニシシッと笑う


「これであいこだな」
『おうっ!』


顔を見合わせて幸せそうに微笑んで
二人してそばをすすった

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