■BracK?WhitE?

□不思議、不思議、摩訶不思議
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side:watoson





閻魔さんの家は小さなアパートだ。


人通りは少なく、町の中では比較的落ち着いた場所だ。


雨もだんだん止んでいき、太陽が顔をだしている。



「じゃ、ちょっとここで待ってて。」


閻魔さんは、外に僕を置いて建物の中に入っていってしまった。


先ほど雨に打たれたこともあり、すっかりズボンの色が変色していた。



あぁ、家に帰ったらベルさんに怒られてしまうだろう。



そんなことを考えていると、閻魔さんが家から出てきた。




「お待たせ。」



閻魔さんは、サンドウィッチとコーヒーを持ってきてくれた。



「寒いし、腹減っただろ?」


黄色、緑、赤、色とりどりなサンドウィッチだ。



「ありがとうございます。」


僕は、サンドウィッチをひとつ手にとり、頬張る。


そういえば、お昼を食べていないことを思い出した。



それは今まで食べたサンドウィッチのなかで一番おいしく感じた。




閻魔さんは、白いプラカードを取り出した。そそてマジックで「3ドル 俺を買ってください」と書く。




僕は、サンドウィッチを飲み込んだ。



「ちょっと!!!??


 閻魔さんなにやってるんですか???


 アホですか???」




「もう・・・俺は死ねないし、誰かに買ってもらうしかないかと思って・・・」



「この駄目人間!!」



僕は、思わず叫んだ。







周囲の人の視線が刺さる。




白い目で見てくる。


やめろ・・・・。

やめろ・・・・。

見るな・・・・。




そんな中、柄の悪い男達が近づいてくる。





「ふーん。おもしれぇ。


 お前3ドルなの?

 
 買ってやるよ。」





「あ。本当、ラッキー。

 よろしく。」

















僕は、思わず持っていたサンドウィッチをその男に投げつけた。















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