愛されるプロジェクト-カゲプロ夢-

□夢を見せてくれる?-カノ-
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「ただいまー・・・」

真っ暗な部屋に向かって小さく言葉をこぼす。

任務に向かったのは朝で、それから少しごたついて気がつけば空は黒い闇に覆い尽くされていた。

少しだけ古びた扉はギィーと音を立てるけど、誰も起きた様子はない。

「ふぅ・・・」

僕は足音をなるべく立てぬようリビングへと入った。

すると、何故か真っ暗な部屋にテレビがついていた。

しかもDVDの停止画面だ。

「あれ・・・。誰か消し忘れたのかね」

そう呟いてリビングの机に置かれたリモコンに手を伸ばすと、不意に目の端に映った人影。

少し肩をびくつかせてしまい、リモコンが手からするりと抜けて床にたたきつけられた。

「うっ・・・わ」

焦った僕はそっとその人影に目を向けると、そこに寝ていたのは僕の愛して止まない少女。

マミだった。

さっきの音で起きた様子はない。

「なんでこんなところで寝てるのさ・・・」

理由はおそらくと言うか願望に過ぎないのだが。

僕を待っていてそのまま・・・。

なんてことがあったら嬉しいのだが、どうやらDVDデッキが作動しているところを見ると何か観ていたのだろう。

まったく・・・。こんなところで寝ていてはいくら夏といえど風邪を引いてしまうだろう。

「よっと」

眠る彼女のソファの近くに腰を下ろすと、汗で額に張り付いた彼女の前髪をどけてやる。

「好きー・・・なんて言わないけどさ」

少しくらい僕を心配してくれてもいいのにね。
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